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<鵜匠>「退位後も鵜飼いに来ていただきたい」と感慨

6/10(土) 8:51配信

毎日新聞

 「天皇陛下にはお体を大切にされ、退位されてからも鵜飼(うかい)に来ていただきたい」。岐阜県関市小瀬を流れる長良川で繰り広げられる「小瀬鵜飼」の鵜匠で、室町時代から続く鵜匠家の18代目・足立陽一郎さん(42)=関市=は9日に退位特例法が成立したことを受け、感慨深げに話した。

 長良川鵜飼は1300年以上の歴史を持つとされる。鵜を操ってアユを捕獲する鵜匠と皇室の歴史も古く、奈良時代には鵜匠が宮廷直属の官吏として漁をしていた記録もある。足立さんは宮内庁式部職として、県内の御料場(ごりょうば)(皇室の土地)で年8回「御料鵜飼」を行い、皇室にアユを献上している。

 県によると、天皇陛下はこれまでに計7回、岐阜を訪問し、鵜匠は毎回、宿泊先のホテルで出迎える。足立さんは陛下からはいつも「アユをありがとう」とねぎらいの言葉をもらい、2010年に関市で開かれた「全国豊かな海づくり大会」に参加された際は、長男で後継者の十一郎(といちろう)さん(16)に「鵜飼はどうですか?」と優しく声をかけられた。10年前に73歳で亡くなった足立さんの父幹郎さんは同世代の天皇陛下を慕っていたという。

 皇室に仕えて日本の伝統文化の継承に努める足立さんは「これからも皇室と鵜匠の絆を絶やさず、天皇陛下には末永く鵜飼をご覧いただきたい」と話した。【立松勝】

最終更新:6/10(土) 8:51
毎日新聞