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<ノーベル賞>大隅さん、福岡市で帰郷講演「失敗恐れずに」

6/10(土) 20:20配信

毎日新聞

 昨年のノーベル医学生理学賞を受賞した東京工業大栄誉教授の大隅良典さん(72)=福岡市出身=が10日、福岡市博多区の福岡国際会議場で講演した。母校の福岡高校創立100周年記念行事の一環。同校の生徒ら約3000人を前に「人と違うことや失敗を恐れずチャレンジしてほしい」と呼びかけた。

 大隅さんは生物が細胞内でたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー」(自食作用)と呼ばれる現象を解明したことが評価され、県出身者で初のノーベル賞に輝いた。

 講演ではオートファジー研究を「役立つ研究を目指したのではなく、純粋に好奇心に支えられた研究だった」と振り返り「純粋な疑問を持ち続け、常識や権威を疑って自分で物事を考えることが大事だ」と強調した。

 生徒との質疑応答もあり、「研究でくじけそうになった時、どう立ち直ったか」との質問に「研究はうまくいかないことの連続だが、それが科学することの本質。失敗を楽しめる心の余裕を持っていたら科学は楽しい」と応じた。また「皆と同じことをやっても科学には通用しない。誰もしていないことを見つけてやる方が楽しい」とも話した。最後に生徒を代表し、3年の石井直樹さん(17)が「知っていることと、本当に理解していることは違うという言葉が印象に残った。学びを続けていく私たちにとって尊い言葉だと感じた」と感謝を述べた。

 その後、県民栄誉賞の贈呈式が市内のホテルであり、小川洋知事から賞状と記念品が、また高島宗一郎市長から「福岡市名誉市民の称号」が贈られた。【西嶋正法】

最終更新:6/10(土) 20:20
毎日新聞