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愛するペット 悔いなく終活 骨壺反響 飼い主の関心高まる

6/10(土) 14:37配信

産経新聞

 葬儀や墓といった供養のあり方を生きているうちに考える“終活”がペット業界にも広がっている。「事前にどんな供養ができるのか考えておきたい」という飼い主のニーズに応えようと、ペット供養の商品を展開する企業が動物病院などにも販路を拡大。人間の終活ブームとともに、ペットの死に対する飼い主の意識も変化しているようだ。(藤井沙織)

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 犬や猫をかたどった柔らかな風合いの陶器。ペット供養専門の「コッコリーノ」(東京)が昨秋に発売した骨壺(こつつぼ)(税込み2万7千円)は、在庫が一時不足するほどの反響を呼んだ。仏壇・仏具メーカー「八木研」(大阪市東成区)の子会社である同社は当初、販売を仏壇店などに限定していたが、好評のため今夏から動物病院やホームセンターなどにも拡大する。

 近年は、葬儀や墓など供養の仕方が多様化したことでペットの死後、どうすればいいか迷う人が多いといい、担当者は「事前に納得のいくやり方を考えられるように選択肢を広げたかった」と狙いを語る。

 飼い主側の考え方が変わってきたと実感している企業もある。ペット用品を通信販売する「新日本カレンダー」(同市東成区)は2年半前から「メモリアル」と題して供養関連の商品を広く展開、昨夏からは動物病院に配布するカタログにペットの毛や歯を入れる木製ケース(同1900円)を掲載し始めた。

 10年以上前、同様にペットの供養に関する商品を載せたときには「悲しくなる」「気分が沈む」といった苦情があり、長く広告を控えていたが、今回は一件もなく、商品の売り上げも上昇。担当者は「ペットの死を避けて考えるのではなく、後悔のないよう準備をしておきたいという人が増えているようだ」と話す。

 仏具の総合商社「こもりコーポレーション」(東京)は、亡くなった人の魂を迎えるお盆にペットも迎えてもらおうと、犬猫専用の「お迎えセット」を開発。犬や猫をかたどった「精霊馬(しょうりょううま)」のほか、迎え火や送り火に使うおがらなどのセットで、仏壇・仏具店で販売される。

 近畿大総合社会学部の清島秀樹教授(現代文化論)は「終活の対象が自分自身から家族と同列のペットにまで広がっている。ビジネスによる側面もあるが、日本人の中で『死を意識して今を生きる』という終活の概念が普遍的なものとして発展しているのでは」と分析している。

最終更新:6/10(土) 23:26
産経新聞