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働き方改革にお酒?プレミアムフライデーより「ハッピーアワー」 定時退社でおトクに乾杯

6/10(土) 10:31配信

産経新聞

 日本特有の長時間労働を改善しようと政府が働き方改革を進める中、欧米流の「ハッピーアワー」に着目したい。早い時間に入店するとお酒が安くなるサービスだ。個性的な飲み屋、一流ホテルのバー、ファミリーレストラン…意外な店でもやっている。多忙な月末に午後3時帰りを呼びかけるプレミアムフライデーよりも現実的で、サクッと上がれるときにいつでも行ける。さぁ今日は、仕事を明るいうちに片付けて…。(重松明子、写真も)

■四半世紀続く300円均一バーの草分け

 夕方5時の東京・有楽町で、ハッピーアワーのチラシをもらった。「世界のボトルビールが300円」。ベルギーの「チャールズ・クイント」など6種が並び、小売価格より安いんじゃないの!?

 「もともと薄利多売で成長したスタンディングバー。さらにおトク感をと5月から始めました。定時で仕事を終えて残業を減らそうという機運を後押しし、日暮れからお酒を楽しむ心のぜいたく、バー文化を日本に浸透させたい」

 「300(スリーハンドレッド)BAR NEXT」の扉を開けると、川幡雄一郎ゼネラルマネジャー(38)が迎えてくれた。300円均一バーの草分けで四半世紀、有楽町・銀座に3店舗を展開する。

 午後5時半に入店した常連客の建設会社役員男性(60)は、「混雑する前にゆっくり飲みたいと、今日は早く仕事を切り上げてきました。普段よりもさらに安いなんて、うれしいですよね」。ハッピーアワーは午後5~7時で、シングルモルトウイスキー7種も1ショット300円になる。

 カクテルや料理はいつでも300円。生ミントたっぷりのモヒートやサラダがヘルシーだ。ハーブと野菜はグループ企業の青森県「東北牧場」から直接運ばれ、お財布やダイエットなどを気にせずいろいろ注文したくなる。

 午後9時を回ると20、30代のビジネスマンやOL層が続々と押し寄せ、カウンターに行列ができた。金曜とあって、60平方メートル強のフロアに150人ほどが軽音楽の熱気にひしめく。「ここは社交場。週末は一晩で4、500人も集まります」と川幡さん。にぎわいとお酒がもたらす愉快な心地に、ふと気が付けば午後10時過ぎ。5時間以上も立ち飲みを続けられた元気は、ハッピーアワーにもらった!?

■子供連れの母親向けも盛況

 窓越しの東京タワーの像が初夏の夕日に白く飛ばされている。東京・紀尾井町のホテルニューオータニ40階「タワー・カフェ」は、午後5~7時がハッピーアワー(プレミアムフライデーは午後4時~)だ。2000円(税・サービス別)で、40種以上から選べるお酒2杯とつまみ付き。ジントニックが通常1400円~だから、かなりの安さ。1カ月間に延べ200人の利用がある。

 「4年前にスタート。近隣の大手IT企業の女子会など新規需要を獲得し、ホテルバーの敷居を下げることができた」とマーケティング課。シャンパンのフリーフロー(飲み放題)など、ハッピーアワー以外にもコストパフォーマンスを意識したプランで、さらなる女性客の取り込みを図っている。

 ファミリーレストラン「ガスト」では一昨年、全店(1359店)でハッピーアワーを導入すると、アルコール類の販売数が一気に倍増した。生ビール485円→269円をはじめ、ハイボールや酎ハイ、冷酒などが安くなる。平日午後3~6時の設定。「お子さん連れの母親など、居酒屋が利用しづらい方の息抜きの場になっている」と広報担当。

 数値化しにくい主婦の長時間労働にも目を向けて…。人それぞれにハッピーアワーがあるといい。

最終更新:6/10(土) 10:31
産経新聞