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時代の節目を実感 「ゆっくりお過ごしに」 天皇陛下の退位特例法成立でゆかりの県民願い

6/10(土) 6:01配信

上毛新聞

 天皇陛下の退位を実現する特例法が9日に成立したことを受け、天皇、皇后両陛下が群馬県に来県された際に面会した県民は「ゆっくりお休みになってほしい」「退位された後も国民を見守って」と口にした。

 2010年8月に視察を受けた養蚕農家の登坂昭夫さん(73)=中之条町=は「体調を崩されたと報道があるたびに心配だった。ゆっくり休んでほしい」と話した。

 登坂さんの家で歓談したり飼育場を見学されたといい、「皇后さまが天蚕を大変勉強されていると思った。天皇陛下は飼育作業を手伝った時のことを話され、仲の良さが感じられた。終始穏やかな表情だったのが印象的」と振り返った。

 「どこに人がいても手を振られていた」。わたらせ渓谷鉄道社長の樺沢豊さん(69)は、私的な旅行で14年5月に同鉄道に乗車された際、通洞―水沼間を同行した。樺沢さんは新天皇の即位に伴い新元号が適用されることを念頭に、「新たな時代に変わると強く感じる。次代に向けて努力を重ねたい」と話した。

 皇太子ご夫妻だった87年8月に栗生楽泉園(草津町)を案内した、入所者自治会長の藤田三四郎さん(91)は「皇太子さまも還暦を控える。皇位継承には良い時期ではないか。退位された後も国民を温かく見守ってほしい」と語った。

 2011年8月に富岡製糸場(富岡市)を訪問された際に説明役を務めた、富岡製糸場総合研究センター所長の今井幹夫さん(83)=同市=は「天皇陛下は質問が的確で職務に誠心誠意臨んでいらっしゃると感じた」と振り返る。法整備はビデオメッセージがきっかけだったとし、「ご意向をきちんと受け止めた方がいいと思っていたので、特例法が成立してよかった」と話した。

◎記憶 県民の心深くに 即位後に来県13回

 天皇陛下は1989年1月の即位後、行事への出席や視察のため、群馬県に計13回、足を運ばれている。皇后さまは父の正田英三郎氏(故人)が館林市生まれで、戦争を機に館林に疎開された経験もある。多くの足跡を残し、触れ合った記憶は県民の心深くに刻まれている。特例法成立を受け、陛下や皇后さまと縁のあった県民から安堵(あんど)の声が上がった。

 陛下は長野県軽井沢町での静養に合わせ、草津町で8月に開かれる草津音楽アカデミーに皇后さまと度々出席し、コンサートを楽しまれている。

 2011年8月、陛下は世界文化遺産登録への機運が高まりつつあった富岡市の富岡製糸場を皇后さまとともに訪問。東置繭所や繭から糸をつむぐ自動繰糸機が並ぶ繰糸場などを1時間にわたって見学された。

最終更新:6/10(土) 6:01
上毛新聞