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17年産 佐賀県内タマネギ生産量回復 「べと病」被害、大幅縮小

6/10(土) 11:21配信

佐賀新聞

 佐賀県内の2017年産タマネギの生産量が平年並みに回復する見通しとなった。16年産は病原菌のカビが寄生して生育不良を引き起こす「べと病」がまん延して記録的な不作となったが、県やJA、生産者が一体となって予防・防除対策を進めた結果、感染の被害は大幅に縮小。感染拡大の要因となった長雨もなく、関係者は胸をなで下ろしている。

 「玉は大きく育った。去年とは大違い」。県産の6割を作付けする杵島郡白石町。出荷量の多い中晩生の収穫も終盤に入り、生産者の川島正弘さん(64)は安どする。予防薬剤の散布量を増やすなど病害対策を徹底、収量は昨年よりも約30トン多く、平年並みの80トンに回復する見通しという。

 佐賀は北海道に次ぐタマネギの産地。冬取りが主力の北海道産を引き継ぐ形で3月下旬から10月にかけて全国の市場に出回り、「責任産地」とも呼ばれる。だが、べと病がまん延した16年産の生産量は平年の4~5割減となる7万4千トン。7万8千トンの兵庫県を下回り、全国3位となった。

 県農業技術防除センターなどによると、被害が多発した圃場(ほじょう)は排水が悪く、作土層が浅いといった共通点がある。べと病に有効とされてきた農薬も、病原菌が耐性を持ちつつあることから十分な効果が得られなくなっており、従来の治療中心から圃場改良などの予防に力を入れてきた。

 感染を防ぐために発病株の除去・防除も徹底。県たまねぎ部会によると、定植後に抜き取った発病株は白石地区だけで150トンに上るという。

 県は昨年9月補正で、予防剤の共同購入や発病株の焼却処分費を補助する予算措置を行うなど再生産を支援。本年度も8千万円の対策費を計上して排水対策や土作りを後押しする。JAさが白石地区の江口正樹園芸指導課長は「一部で発病した圃場もあったが、拡大は抑えられた」と対策の効果を指摘する。

 1次伝染を引き起こす土壌中の卵胞子のメカニズムの解明に向け、県農業試験研究センターは今春、佐賀大学や兵庫県などと連携して研究に乗り出した。研究期間は3年。効果的な防除技術を見つかり次第、随時現場に対策を落とし込んでいく。

 県たまねぎ部会の片渕康弘部会長(65)=白石町=は昨年、記録的不作で価格高騰を招いたとして関東や関西の市場に頭を下げて回った。白石地区の本年産収量は目標の4万トンを上回る見込みだが、「菌は土壌に残る。来年、再来年のためという心構えで予防に取り組まなければならない」と気を引き締める。

最終更新:6/10(土) 11:21
佐賀新聞