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ビール大手、安売り規制で新商品続々

6/10(土) 18:09配信

ニュースイッチ

“需要先食い”反動に備え

 ビール大手各社は6月から始まった小売店の酒類安売り規制の反動減を和らげようと、ビール類の新商品に力を入れる。5月のビール販売実績は、アサヒビールが前年同月比14%増。価格が安い第三のビールは同22%増だ。サッポロビールもビールが同14%増。キリンビールとサントリービールもビールはほぼ同1割増となる見込みで、久々の“ビール復活”。ただ、5月は安売り規制を見越した“需要先食い”を含む。6月以降の反動減を最小限に食い止めるため、各社は知恵を絞る。

 需要を先食いすれば反動減が起こり、プラス分が帳消しになりかねない。ビール大手各社は新商品を相次ぎ発売しており、反動の影響を回避したい気持ちが透けて見える。

 アサヒビールは5月16日に「クリアアサヒ夏の涼味(すずみ)」を発売したのに続き、同30日に「スーパードライ瞬冷辛口」を発売した。サッポロビールは「麦とホップ」で新商品を発売。サントリービールも、6月27日に「ザ・モルツ」の新商品を発売する。キリンビールは7月下旬、主力の「一番搾り」を刷新する。

 政府がビールの過度な安売りを規制する狙いは、個人経営などの酒屋を守るためという。スーパーやディスカウントストアの店頭で“6缶980円”などの値段で売られていた特売のビールが数百円値上がりしても、消費者はこれまでと同じように購入してくれるのか。各社とも先行きについて「分からない」と話す。影響を少しでも食い止める手っ取り早い方法は“新商品を発売すること”だ。

 新商品を発売すれば、少なくともその直後は店頭に並ぶ。小売店も店頭でアピールしやすくなる。夏らしいパッケージ、夏らしい味わいなどで各社それぞれに新商品の特徴を打ち出し、販売を伸ばそうと躍起だ。プレゼントがもらえるキャンペーンも、複数の会社が計画している。

 安売り規制の影響はビール類だけでなく、缶チューハイにも及ぶ。ただ、缶チューハイはレモンやグレープなど、もともと種類が豊富。ストロングドライタイプや夏の限定フレーバーなど、差別化しやすい利点がある。ビールから見れば、自社や競合のこれらの商品とも競争になる。

日刊工業新聞第ニ産業部・嶋田歩

最終更新:6/10(土) 22:04
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