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天皇退位特例法成立 北奥羽住民「ゆっくり休んで」「今まで良くやってくださった」

6/10(土) 12:16配信

デーリー東北新聞社

 天皇陛下の退位を実現する特例法が9日、成立した。北奥羽地方の住民からは2018年12月の退位が想定される陛下に対し、「ゆっくりと休んでほしい」といったねぎらいの声や、約10カ月間の国会などの議論の結実を歓迎する意見が相次いだ。天皇制が新たな歴史へ踏み出すことに期待する一方、皇族減少対策などの課題について懸念も聞かれた。

 ▽「ようやく実現」「今までよくやってくださった」

 退位を巡っては昨年8月、陛下によるビデオメッセージが契機になった。八戸市の主婦中村節子さん(76)は「テレビで姿を見る度にいたわしいく感じていた。ようやく実現が見えてきてよかった」と喜ぶ。

 日々の公務のほか、東北や熊本といった被災地や海外の訪問など重ねる姿を思い、同市尻内町の会社員高橋晃太さん(27)は「年齢を重ねるにつれて公務が大変になるのは当然。今まで良くやってくださった。80代とは思えない活動に敬意を払いたい」。

 国の有識者会議や与野党による議論について「意外と早く結論が出た感じだ」と感想を述べたのは、久慈市川崎町の会社経営田表陽子さん(77)。「高齢なので、病気や体調のことが心配。上皇になったらゆっくり休んで、長生きしてほしい」と願った。

 衆参両院の委員会で「女性宮家」創設を検討するよう政府に求める付帯決議が採択されたことに対し、二戸市の会社員鳥谷陽介さん(35)は「今回が議論を深めるきっかけだったのに、深まらなかった」と指摘した。

 ▽「次の元号は?」「時代に合わせた皇室に」

 今の時代に合わせた議論を明治以来の終身在位制に例外を認める特例法は一代限定。今後、新天皇即位や改元などが予定される。

 八戸市のカヤックインスタクター清水圭子さん(31)は「元号は何になるのだろう」と早くも“新時代”に関心の様子。田子町の自営業、遠澤千登勢さん(49)は「一代限りの特例というが、今後の皇室の在り方は、これまでの慣例にこだわりすぎず、今の時代に合わせて議論していってほしい」と期待を寄せる。

 一方、皇位継承の安定化といった課題は残ったままだ。十和田市の無職阿部肇さん(77)は「男性皇族が減少している現状に合わせ、皇族典範を見直す必要がある」と強調。「天皇陛下の周囲の人々や一般国民、専門家の意見を広く聞き、将来を見据えた形にしてほしい」と注文する。

 一方、これまで普遍的だった天皇制の将来に懸念の声も。野辺地町の理容業高橋眞輔さん(70)は陛下の体調や気持ちに理解を示しつつも、「本音を言えば制度を変えず、このまま天皇陛下のままでいてほしかった」と話した。

デーリー東北新聞社