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ミシュラン星付きレストランで涙を流した漁師たち 水産業改革に取り組む女性元コンサルタント

6/10(土) 11:00配信

AbemaTIMES

 山口県萩市。黒のスーツにハイヒール姿で漁船に乗り込む一人の女性がいる。漁師集団「萩大島船団丸」を立ち上げ、3つの船団、60人の漁師たちをまとめあげた坪内知佳(30)だ。

 観光業と水産業に依存する萩市にあって、漁獲高の実に6割をこの「萩大島船団丸」だけで稼ぎ出す。萩の鯵や鯖はブランド化されており、全国へ出荷されている。中でも鯵は「萩の瀬つきあじ」として名高い。

 しかしここ数年、漁獲量は減少傾向にあり、水揚げだけで儲けを出すのが難しくなってきた。そんな中、「萩大島船団丸」は他県でも真似される“ユニークかつシンプルな“ビジネスモデルで拡大を続けている。

■創業当初は毎日が怒鳴り合い

 もともと漁業とは全く関係ない分野に身を置いていた坪内。いかにして「がんこで分からず屋」の漁師をまとめ上げ、ビジネスを成長させていったのか。

 「萩大島船団丸」が行っているのは漁業の「6次産業化」だ。これまで「釣り上げて、市場に運搬して終わり」だったのを、加工・流通、そして消費の現場にまで漁師が携わることで、付加価値を生むようにした。言うのは容易いが、「そう簡単なことじゃないんですよ」と坪内。

 例えば魚の生臭さをとるための「血抜き」とよばれる作業がある。釣った直後に血抜きをすれば、生臭さは減り、“新鮮で美味しい“という付加価値を生むことができる。しかし、漁師たちからは「できない」と言われた。食い下がる坪内に「うるせえ!俺たち漁師は、海がしょっぱいうちは大丈夫って教わったんだ」という言葉が返ってきた。

 職人気質で頑固者が多かった萩の漁師たち。女性で、海に出て漁をしたこともなければ萩市出身者でもない、そんな坪内の発言に耳を傾ける漁師は少なかった。

 「創業当初は毎日が怒鳴り合いでした」。

 坪内が「ちょっとこれさ…」と口を挟むと、すかさず漁師たちに「やかましい!」と怒鳴られたが、衝突を繰り返すうち、漁師たちは坪内の発言に理解を示すようになっていったのだという。

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最終更新:6/10(土) 11:00
AbemaTIMES