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190年の時動き出す 故障の時計を落札し修理、金沢の井上さん

6/10(土) 1:40配信

北國新聞社

 「時の記念日」の10日を前に、時計店「工房亞陀(あだ)」(金沢市野町2丁目)を営む時計師井上悦朗さん(69)が、約190年前に米国で作られたとされる置き時計の修理を終えた。20日から金沢21世紀美術館で始まる「第29回からくり時計展」(北國新聞社後援)で展示され、古時計の味わいを伝える。

 年代を感じさせる掛け時計や置き時計が並ぶ店内で、井上さんは1820~30年代に米国で製造されたとみられる高さ81センチ、幅50センチ、奥行き16センチの置き時計の修理に当たった。時計は外枠だけでなく、針の音を鳴らす「打方(うちかた)」などの機械部の歯車も含め、ほとんどが木製である。

 3月、インターネットオークションで故障した状態のまま出品されていたのを見つけ、珍しい時計と感じて落札した。紛失した部品を買いそろえ、複雑に歯車がかみ合う機械部を緻密な作業で修復した。

 井上さんは20代で家業の時計店を継ぎ、独学で学んだ彫刻、金工、木工の技術を生かして数々の時計を修理している。依頼を受けることもあれば、自ら古時計を探すこともある。

 からくり時計展では、井上さんは置き時計に加え、掛け時計など数点を出品する。「どんなに古くても、機械時計の構造は計算が尽くされていて美しい。修理を通して、時計の魅力を伝えていきたい」と意気込んだ。

北國新聞社

最終更新:6/10(土) 1:40
北國新聞社