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防げイノシシ被害 県が5カ年計画

6/11(日) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

イノシシによる農作物被害が後を絶たないため、県は捕獲目標数を増やす。前期計画より2千頭多い年7千頭の捕獲を目指し、本年度から5カ年の「第6期イノシシ管理計画」を策定した。生息域拡大を防ぐ監視地域の新設、減少する狩猟者の育成など担い手確保対策も盛り込んだ。県は「行政と住民、関係機関が連携し、被害防止対策を進めたい」としている。

■生息数が大幅に増

県内で生息するイノシシは、各種統計によると、2000年度が約1万頭だったのに対し、16年度は約3万2千頭と大幅に増えている。

県内での捕獲数は、1980年代後半から90年代後半にかけて400~600頭で推移。98年度以降に増加し、2000年度は927頭だったが、15年度は約6・5倍の6069頭と過去最高を記録した。

生息数の増加や捕獲数の急激な伸びを踏まえ、第6期計画では、捕獲目標数を第5期計画の年5千頭から年7千頭に大幅拡大した。

■農作物に打撃深刻

イノシシによる農作物被害は12年度以降増加。県北から県央の中山間地域と筑波山周辺を中心に発生し、農林業に深刻な打撃を与えている。

15年度の被害面積は約64ヘクタール、被害量471トン、被害額8871万円に上る。被害量は13年度をピークに減っているが、被害額は、ここ2年で約9千万円と減少は見られない。

15年度の作物ごとの被害額は、稲が約5600万円で全体の約6割を占める。次いで、イモ類1540万円、野菜約820万円。市町村別の被害額は、桜川市が約1747万円、笠間市が約1716万円、日立市が約1157万円と続く。

原因について県環境政策課は「人口減少や高齢化による耕作放棄地の増加や森林の管理不足などで、イノシシが農地に近づきやすい環境が増えている」と分析する。

■管理地域3区分に

生息域は、従来確認できなかった鹿行地域でも12年度以降、拡大している。

同計画では、イノシシの分布や捕獲状況などに応じた管理地域の区分を三つに拡大。農作物被害を12年度水準に抑える「被害対策地域」(水戸市など16市町)と、イノシシ根絶を目指す「拡大防止地域」(行方市など4市町)に加え、それ以外の地域を新たに「出現監視地域」と位置付け、「目撃情報を収集し、侵入・定着させない早期の対応を図る」(同課)。

県は目標達成に向け、(1)近づけない(2)侵入させない(3)個体数管理-を3本柱に据える。本年度、電子柵設置の補助や被害防止策を学ぶ研修会など「地域住民、市町村、関係団体が一体となった地域ぐるみの対策」(同課)を進める。

■減り続ける担い手

狩猟者の確保も課題だ。県内の狩猟者登録数は、15年度3919人で、10年間で6割にまで減った。

年齢別で見ると、60歳以上が占める割合は、05年度が50%だったが、15年度は71%に拡大し、高年齢化が進んでいる。

狩猟者確保に向けた対策として、狩猟免許試験を休日に行うなど受験機会を広げるほか、県猟友会と連携した研修会の開催、若者に狩猟の魅力を伝える啓発活動に取り組むなど、「裾野拡大に努める」(同課)考えだ。 (朝倉洋)

茨城新聞社