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神山集落の井戸移設 故郷の遺産継承

6/11(日) 5:00配信

琉球新報

 【宜野湾】宜野湾市の米軍普天間飛行場内の神山集落跡地に防衛省が米軍の冠水被害を防ぐ調整池を造成する計画について、造成予定地に残る戦前の井戸を取り壊さず、宜野湾市の字神山郷友会事務所の敷地に移すことが10日までに決まった。井戸は土台から石積みまで形をとどめており、中を水が流れている。

 郷友会が2月に普天間飛行場内に立ち入り、集落跡を訪れた際に井戸が残っていたことが判明した。宜野湾市の島袋清松教育部長は市議会3月定例会で佐喜真進市議(共生の会)の一般質問に「記録保存が一般的だ」と答弁していた。

 郷友会が沖縄防衛局に現物保存を要請し、移設が決まった。郷友会は井戸の地下に埋まっている土台部分も含めて移設することや、現状と方角に合わせて再設置することも求めた。移設時期は未定。

 郷友会理事を務める富川盛光さん(68)の母の実家にあった井戸だと特定されている。富川理事は「幼いころはフェンスが張られていなかったので農作業などに行く親とよく訪れていた。井戸の形を覚えていた」と話した。

 2016年10月、旧集落の中でも米軍施設が未整備で住居跡が残存した可能性が高い場所での調整池造成計画が浮上した。郷友会は「古里の土地を破壊しないでほしい」と反対したが、防衛省は同会に計画を伝えた時点ですでに事業の一部を進めていた。

 富川理事は「この井戸が唯一、形に残る神山集落の遺産になる。郷友会のモニュメントにしたい。古里の歴史を語り継ぐために必要だ」と語った。

琉球新報社

最終更新:6/11(日) 10:13
琉球新報

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