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時価総額30兆円、アリババCEOが「人生の最後に買いたいもの」 通販の巨人率いる男の意外な答え…

6/14(水) 7:00配信

withnews

 時価総額が2800億ドル(30兆円)を超えるアリババグループ。世界的ネット通販の経営者は、いったいどんな買い物をしているのでしょう? 来日したCEO(最高経営責任者)、ダニエル・チャン氏(45)に聞いてみました。「人生の最後に何を買いたいですか?」。返ってきた答えは意外なものでした。

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間髪入れずに「囲碁」

 「囲碁ですね」

 チャン氏は間髪入れずに答えました。

 「私は下手ですけれど、囲碁の愛好者です。質問を聞いて本能的に、『囲碁だ』と感じました」

 チャン氏は「囲碁は、指し手の考えによって局面が次々と変わっていく競技。時代が変わる中でも勝ち続けるために、次の指し手をどうするべきか。それは人生に関しても、会社の経営に関しても通じるところがある」と語ります。


 「囲碁というものは、非常に奥深いものです」というチャン氏。

 中国で人気のテレビドラマ「人民的名義」には、囲碁にちなんだ「勝天半子」(天に半目勝つ)という決めぜりふがあります。

 「天」とはすなわち、運命のこと。人間は運命の前では何もできないと考えてしまいがちですが、努力をすることでちょっとでも良いから運命に勝ちたい、という登場人物の強い意志が現れています。

 経営者としてのチャン氏もドラマから出てきたかのような実績を残します。

 大きなイベントがなかった11月に「独身の日(11月11日)」というネットショッピングの日を定着させ、1兆9千億円もの売り上げをたたきだす一大イベントに成長させました。

小説中の人物のあだ名をつけ合うアリババ社内

 チャン氏の名刺には「逍遥子」というあだ名が記されています。

 実は、アリババグループの社員は、中華圏で人気のある作家の金庸氏の小説の登場人物から取ったあだ名をつけて呼び合っているのです。

 チャン氏のあだ名、「逍遥子」は、カンフーの達人であるにも関わらず表にはなかなか出ず、仙人のような隠居生活を送っている人物。

 「(逍遥子は)自分と似ている部分が多い。自分の性格と合っている」と言います。

 ちなみにアリババグループの創業者であるジャック・マー氏のあだ名は「風清揚」。これまた高い剣術技術を持ち、隠居してなかなか姿を見せないけれど、人徳が高くて多くの人に尊敬されている人物です。

 ただ、マー氏はもともと英語教師だったことから、社内では「マー先生」と呼ばれることの方が多いそうです。

戦略的に一手一手

 チャン氏は5月に東京都内であったイベントで、新たにカルビーやコーセーといった大手日本企業との提携を発表しました。

 商品の生産地や生産者などの情報をわかりやすくする「グローバルトレーサビリティー計画」を、中国よりも先に日本で始めることなども明らかにしました。

 日本には化粧品、ベビー用品などを中心に高品質な商品が多いため、「我々は日本を、商品の供給において最も重要な国の一つとして位置づけています」と語るチャン氏。

 今後も囲碁のように、戦略的に一手一手を打っていくのでしょう。

朝日新聞記者・永田篤史

最終更新:6/14(水) 7:00
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