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猪瀬直樹氏インタビュー(前編) 豊洲移転問題の本質 五輪費用は誰が負担するのか

6/11(日) 18:54配信

J-CASTニュース

 東京都議会議員選挙が2017年6月23日に告示(7月2日投開票)されるのを前に、作家(日本文明研究所所長、大阪府・大阪市特別顧問)で元都知事の猪瀬直樹氏(70)がJ-CASTニュースのインタビューに応じた。

【写真】市場問題について語る猪瀬氏

 前編では、小池百合子都知事(64)の就任後、混迷している築地市場の豊洲市場移転問題と、2020年東京五輪の費用負担問題について、自らも都知事としてかかわった経験を踏まえ考えを聞いた。

■「築地再整備案」と「豊洲移転案」のどちらになるのか

――豊洲市場への移転の可否判断がなかなか下されません。

  猪瀬直樹氏 豊洲移転はいずれ決まるでしょう。小池百合子知事は「決められない知事」などと言われていますが、物語的な構成で考えれば「水戸黄門の印籠」はじりじりと待って最後の最後に登場するんですよ。いったん立ち止まって、「築地再整備案」と「豊洲移転案」という両方の案が出てきたので、「築地は駄目だった。やはり豊洲だ」というプロセスをたどることになると思います。 小池知事が豊洲移転を延期したのは、2014年からの全9回の地下水モニタリング調査が17年1月に終わる予定なのに、なぜ、その前の16年11月に豊洲が開場することになっていたのかと疑問に思ったから、ストップをかけたのです。

――地下の汚染水の問題はどう解決していくのでしょうか。

  猪瀬氏 技術会議(豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議)の「地下水管理システム」は、地下水を排水処理した上で排水することになっています。地上には行きません。だから専門家会議(豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議)の平田健正座長は「地上は安全」と言っています。 それと、石原慎太郎さんが悪く言われていますが、そもそも石原さんが環境学者らを集めた専門家会議をつくって徹底的にやってくれと言って始まったのです。その後で技術会議が始まりました。当初、専門家会議では地下水の汚染について環境基準値を持ち出していません。でも、後の技術会議でいつの間にか環境基準値という指標が入ってきました。環境の専門家が「問題ない」と言っていたのに、です。それに、そもそも環境基準値は70年間1日2リットルの水を飲む場合を想定した数値です。

――そうした意思決定のプロセスが知られないままに、石原氏を含めて批判が出ているということですか。

  猪瀬氏 そうです。都庁には局が20くらいあります。中央卸売市場も局の1つです。都営地下鉄を手がける交通局もあれば水道局もあります。これだけ細分化されていたら、どこで何をやっていたかはある程度は司司(つかさつかさ)で対応していくでしょう。会社だってそうです。たとえばテレビ局で、番組の細かい内容について社長が何か聞かれても分からないでしょう。市場問題はそういう組織論を抜きにして騒ぎになっています。 私が都知事の時も13年1月に「豊洲移転1年延期」を決定しました。それは中央卸売市場長から、豊洲で東京ガスの杭が見つかり、その周りの土壌から基準値を超える数値が出たという報告がきちっと上がってきたからです。一番の汚染源を突き止めたという感じでした。それを取り払うための1年延期でした。ですから、こういう重要な決定をする際には知事まで報告があがってきますが、細かいことまで全部決めていたら知事は務まりません。

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最終更新:6/12(月) 17:23
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