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<海保>お台場で釣りの高校生救助 満潮時の孤立に注意

6/11(日) 11:00配信

毎日新聞

 東京海上保安部が、お台場海浜公園(東京都港区)の岩場で孤立した高校生4人を救助した事態を受けて、「海辺で潮が満ちてきて戻れなくなることは、都会でも起きる。潮の干満に留意して孤立することがないようにしてほしい」と注意を呼びかけている。都会の観光スポットで起きた救出劇を追ってみた。【米田堅持】

【海側からみた救助の様子】

 孤立した現場は、自由の女神像やレインボーブリッジなどが見渡せる観光スポットの一角だった。都内在住の高校生たちは6日午前、釣りざおやクーラーバッグなどを持って、海辺から20メートルほど離れた岩場で釣りをしていたという。午前中は干潮だったので、岩場には簡単にたどり着いた。現場付近の干潮時刻は午前9時12分で、満潮時刻は午後3時51分。潮位の差は1メートル以上ある。午後1時半ごろ、潮が満ち始めると水位が上がって水深が1メートルを超え、高校生たちは公園側に戻れなくなった。

 ◇公園の岩場で孤立の珍事

 4人から連絡を受けた友人が駆けつけたものの、なすすべがなかったため、公園管理事務所に連絡し、事務所からの118番通報を受けて同保安部の海上保安官が救助に向かった。約20分後に陸上から現場に到着した海上保安官がロープを使い、15分ほどで4人を救助した。公園の岩場で孤立した人を救助するケースは、ほとんどない「珍事」だった。救助時の水深は大人の胸ほどあり、中にはしっかり歩けずに海上保安官が抱きかかるようにして救助された高校生もいたが、4人ともけがなどはなく無事だった。

 ◇海の干満に都会も田舎もない

 救助にあたった同保安部の村瀬剛徹・救難係長は「しっかりしたさおと救命用の浮輪代わりに使えるぐらい大きなクーラーバッグを抱えていたので、たくさん釣るつもりだったのだろう。離れた岩場は満潮時に孤立する危険があるという海の基礎知識はなかったようだ」と苦笑する。

 その上で村瀬係長は「海の干満に都会も田舎も関係ない。今回のように干潮時に離れた岩場や防波堤に渡って孤立するケースは全国で多発しているが、状況によっては命に関わるケースもある」と語る。海辺へ出かける際は、「潮の干満に関する情報を事前に調べ、危険や不安を感じたら安全な場所へ移動する。もしも孤立したら無理をせずに救助を要請してほしい」と、夏のレジャーシーズンを前に注意を呼びかける。

 救助された高校生たちは、現場に駆けつけた警察、消防の関係者に「すみません」と頭を下げた後、村瀬係長に「ぬれた衣類を着たまま、ゆりかもめに乗って迷惑をかけないように」と追加の指導を受け、帰路に就いたという。

最終更新:6/11(日) 11:00
毎日新聞