ここから本文です

藤井四段、歴代単独2位の25連勝「羽生さん思い出させる」森下九段が脱帽

6/11(日) 5:32配信

スポーツ報知

 将棋の史上最年少棋士・中学3年生の藤井聡太四段(14)が10日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第3期叡王戦段位別予選1、2回戦で梶浦宏孝四段(21)と都成竜馬四段(27)に連勝し、デビュー後連勝記録を25に更新した。両局とも相手にチャンスさえ与えない完勝だった。7日の3連勝に続いて4日間で5勝を量産。歴代連勝記録でも単独2位に躍り出て、いよいよ史上最多の28連勝の更新を視界にとらえた。

 終局後、多くのフラッシュを浴びた藤井はまぶしそうに高速でまばたきをした。「25連勝まで来られたということで本当に幸運なこと。記録として歴代2位になれたということはとてもうれしいです」。またしても「神の子」は負けなかった。

 この日、連勝を24、25と伸ばし、一気に歴代単独2位に躍り出た。30年間破られていない歴代最多の28連勝に近づいたが「まだまだ遠い道のりなので一局一局指していきたいです」と謙虚に語った。

 過熱する報道に、将棋連盟は前例のない措置を取った。朝、梶浦戦の対局室には25社60人の報道陣が詰め掛けたため、混乱を避けるべく、午前10時の開始5分前まで両者を対局室の外に待機させ、撮影はムービーとスチールの交代制にした。

 変則ダブルヘッダーも、藤井は冷静なタイムマネジメントで対応した。梶浦戦は正午過ぎに終局。初体験となる午後7時開始の都成戦まで間隔が空くと、都内で単身赴任中の父・正史さん(48)宅への一時帰宅を選択。移動中は連盟職員2人がボディーガード役に。子供たちに「藤井さんだ!」と発見されると、握手のお願いにテレながら応じた。

 「移動中の新幹線では車窓の景色を見るのが好きなのでボーッとしています」。9日、愛知県瀬戸市の自宅から単身で上京。前泊した父親宅で「特に何もせず、ゆっくり体を休めました」。食事と休息をとった。

 7日のトリプルヘッダーに続いての連勝。2局とも緩急自在の指し回しで完勝した。実力は終局後に両者が勝負を振り返る感想戦でも発揮された。梶浦戦の後、まだ駒が盤上中央でにらみ合う中盤の局面で、いきなり銀で自玉を急襲されていたらペースを握られていたと指摘した。前後の流れにとらわれないコンピューター的な手順を示された梶浦は「見えませんでした…」とつぶやき、自嘲の笑みを浮かべるしかなかった。

 感想戦に加わった連盟理事の森下卓九段(50)は「いや、たまげました。あの銀は普通の棋士では見えません。普通の強さではありません。羽生(善治)さんが登場した頃を思い出させます」と衝撃を受けた様子だった。観戦した他の棋士からは「憎いほどの強さ」という声すら上がった。

 次は15日、瀬川晶司五段(47)戦。奨励会退会後にサラリーマンになってから編入試験を突破した異色の棋士だ。「神の子」を誰が止めるのか。長い連勝は、逆の興味を生み始めている。(北野 新太)

最終更新:6/11(日) 11:52
スポーツ報知