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豊かな老後は「運用なし」では難しい? 逆転劇はここにあり

6/11(日) 16:10配信

ZUU online

豊かな老後を送りたい。誰もがそう願ってFPである筆者のもとに相談にみえる。それは年収500万円であろうが年収1000万円であろうが年収2000万円であろうが変わらずに描いている夢である。

現役世代に中流の人が、老後に上流の生活を送るためにはどうしたらよいのであろうか。中流や上級の明確な区分はないが、ここでは年収500万円を中流と呼ぶことにする。

■上流の老後生活水準とは?

それでは、どのくらいの水準を「上流=豊かな老後」と呼ぶのであろうか。人により異なると思うが、生命保険文化センターの生活保障に関する調査(平成28年度)によると、「ゆとりある老後生活費」は月平均35万円という結果が出ている。また、ゆとりある生活ための資金用途は、1位「旅行やレジャー」、2位「身内との付き合い」、3位「趣味や教養」の順になっている。

一方、収入を見てみると、世帯別の年金収入は月平均28万円(厚生労働省年金局データより抜粋)となっている。

1ヶ月に平均7万円を現役世代に作った貯蓄から取り崩していくことになる。90歳まで生きるとすると、65歳から25年間になる。7万円×12ヶ月×25年間=2100万円が必要となってくるのだ。

■年収1000万円だから安泰とは限らない

年収1000万円を目指すサラリーマンは多い。手取りとしては、税金や社会保険料、厚生年金や雇用保険などが引かれるため、おおよそ750万円前後になる。

一方、年収500万円のサラリーマンの手取りは400万円ほどになることを考えると、年収ベースでは500万円の差があっても、手取りベースでは350万円程度の差となる。

しかし、収入1000万円の人は一般的に収入に比例して支出も多くなりがちである。

「1000」という数字が心を慢心にさせるのか、住宅費、教育費、レジャー費等、多くなりがちなのである。一見すると裕福な暮らしをしているように見えても、実際の家計は火の車という家庭も少なくないのだ。年収500万円の人のほうが余程しっかり貯蓄をしているというケースは珍しくない。

「家計の金融行動に関する世論調査2016年」(金融広報中央委員会)によると、金融資産ゼロと答えた世帯が30.9%となっている。年収別に見てみると、年収300万円以上500万円未満が29.8%、年収500万円以上750万円未満が23.7%、750万円以上1000万円未満が20.3%の世帯が金融資産ゼロと答えているのである。年収が高ければ金融資産も多いかというと、必ずしもそうとは言えない現実がある。

■豊かな老後は運用しないと難しい?

平均的な生活を送っている人が、豊かな老後生活を送るような逆転劇を成し遂げるには3つの方法がある。

1. 収入を増やす
2. 支出を減らす
3. 運用をする

はっきり言ってしまえば、3の運用を考えなければ、豊かな老後を迎えることは難しい時代となっている。現在35歳の人が毎月3万円ずつ貯めていくと、65歳の時には1080万円になる。しかし、1080万円では老後資金は足りないと先のデータでも明白である。

それでは、同じく月3万円を運用するとどうなるのであろうか。5%で運用することができれば、65歳時には約2500万円(複利・税引前)と倍以上に増えてくる。

そうはいっても、運用にはリスクがつきものである。このリスクをコントロールして最小限にとどめるには、「資産分散」「時間分散」「長期投資」の考え方が大切になってくる。

上記のものを簡単に実現する方法としては、投信積立や確定拠出年金などが挙げられる。これらのものが、なぜリスクをコントロールしながら豊かな生活を実現できるかについては割愛するが、自分の資産を大切に守り育てる習慣を身につけておきたいものである。手間を惜しんではならない。逆転劇はここにありと言ってもよいであろう。

■お金の使い方も「習慣」

自己啓発書のベストセラー作家であるオグ・マンディーノは、著書『地上最強の商人』の中で、「失敗者と成功者の間に横たわるただ一つの違いとは習慣の違いである」と記しているが、お金の使い方も「習慣」である。

「収入-支出=貯蓄」になっているか、「収入-貯蓄=支出」となっているか。つまり、給料から生活費等に使って残ったお金を貯蓄に回しているか。それとも、あらかじめ給料の中から貯蓄をして残ったお金で生活しているか。後者は「先取り貯蓄」と言われるが、後者のほうが断然お金が貯まっていくのである。

毎月決めた金額を貯蓄し、無駄な出費をしないように心がけることによって、長い年月で大きな差となって表れてくるのだ。

最後になるが、豊かさとは「お金」だけでは計れない。「健康」「家族」「趣味・生きがい」「交友関係」これらを意識しながら本当の意味での上流の豊かな人生を送りたいものである。

竹内道子 FPオフィス道~michi~ 代表
証券・保険・不動産販売および独立系FP会社で経験を積み、ファイナンシャルプランナーとして独立。資産運用・老後資金・住宅ローン・保険などライフプラン実現に向けた相談に年間300組以上受ける傍ら、企業従業員や一般消費者に向けてマネープランなどのセミナー講師を務める。机上の空論ではない実務経験に基づいた問題解決・夢の実現を強みとする。

最終更新:6/11(日) 16:10
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