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缶詰ミカンなぜつるつる? 加工組合に聞いた意外な薄皮の剥き方

6/11(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「どうしてこんなにキレイに薄皮を剥けるのか」

 缶詰やゼリーの中に入っているミカンを見て、そう思ったことがある人は少なくないだろう。どう剥いているのか。日本蜜柑缶詰工業組合の川手浩司事務局長に聞いた。

 まず外皮。S・M・Lなどのサイズごとに分けられたミカンは、蒸気で皮をふやかしてから、皮剥き機にかけるという。

「皮に傷をつけて、めくれた部分を巻き取りながら外皮を剥いていく仕組みです。その後、ジェット水流で1房ずつバラバラにします」

 薄皮の部分は、さすがに機械で剥くことはできないので、薬品で処理するという。

「薄い酸性の溶液(食用塩酸)で薄皮を構成する物質のひとつペクチンを溶かしたら、薄いアルカリ性の溶液(水酸化ナトリウム)に浸し、同じくセルロースを溶かします」

 薬品と聞くと一瞬ギョッとするが、どちらも食品添加物として認められているもの。30分ほど水洗いすれば、完全に除去できるそうだ。

 けっこう手間がかかっているが、国産品は苦境にさらされている。ひとつは中国産の脅威。一般的な4号缶(425グラム)だと、国産は1缶約300円だが、中国産は約130円と、価格競争ではかなわない。

 もうひとつが、缶詰に適したミカンの品不足。近ごろは、外皮が薄くて剥きやすい生食ミカンが増えているが、「缶詰にするには不利。皮が薄いと加工段階で果肉まで傷つきやすく、いわゆる“歩留まり”が悪くなってしまうのです」。

 その証拠に、20年ほど前は4号缶1ケース(48缶)分は約15キロだったが、現在は約23キロに。それでいて価格は20年前から50円程度しか上がっていないのだから、メーカーにとっては厳しい。

 しかし、約300円の4号缶にMサイズのミカンが4~5個入る。ビタミンCは3割ほど減るが、皮を剥く手間を考えると、かなりお得だろう。新鮮な柑橘類が一年中手に入る今でも、ミカンの缶詰がなくならないわけだ。

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