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あなたも陥っていませんか? SNSのエコーチャンバー現象 モバプリの知っ得![9]

6/11(日) 10:30配信

琉球新報

エコーチャンバー現象の3つのステップ
 「エコーチャンバー現象」という言葉を聞いたことありますか?

 「エコーチャンバー」は直訳すると「共鳴する小部屋」。
 狭い部屋の中で声が反響し、どんどん大きくなっていく様子を表しています。

 あまり聞き慣れない言葉ですが、FacebookなどSNSサービスを使う上でのデメリットとして、ひっそりと注目されています。

 このエコーチャンバー現象は進行に応じて、3つのステップがあるといえます。
 それぞれのステップを解説しますので、自分にも当てはまるものがないか振り返ってみましょう。
 

ステップ1. フォローする人に偏りが出る
 

 SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とは、人と繋がり交流するインターネットサービスで、FacebookやTwitter・Instagramなどが有名です。

 SNSでは他のユーザーを「フォローする」という仕組みがあります。
 フォローした人がSNSに投稿すると、私たちは投稿をすぐにチェックができます。

 このフォローの仕組みこそがSNS最大の利点です。
 たとえば有名人をフォローすることで日常を覗き見ることができ、メディアをフォローすることで最新情報をすぐにキャッチできます。

 しかしながらフォローする人を決めるのは自分自身です。
 そのため、「自分と趣味が同じ人」「考え方が近い人」をフォローしてしまいがち。

 オープンで多くの意見が登場するインターネット世界のはずですが、結局は自分でフォローする人を選別した結果、閉鎖的な視野の狭い世界になる。これがエコーチャンバーのステップ1です。
 

ステップ2. 共鳴することで考えに偏りが出る
 

 同じような考えの人たちがSNSで集まると、意見の多様性が失われ、極端な方向へ向かい出します。

 例えば私はSNSでスマートフォンマニアの人と多く繋がっています。
 そのため新機種の発売日になると、数多くの「購入報告」がSNSに投稿され、「このスマホはみんなが買っているんだ」と勘違いしそうになります。
 もちろん本当にその機種を買う人は一部の根強いファンだけで、一般的には「え、そんな機種あるの?」と存在すら知られていないことも。

 こうして偏った情報・意見も、小さい部屋なら共鳴し、「これこそが大多数のスタンダードな意見だ」と勘違いしやすくなります。

 また、自分の意見が他の人に共鳴すると、「共感してもらえた」という気持ちよさも生まれて居心地の良さを感じるようになります。

 こうして、狭い部屋に居場所を求め、次第に深みにはまっていきます。
 

ステップ3. 情報の正確性を問わなくなる
 

「ネットでは多く言及されているのに、メディアでは取り上げられていない!」「これだけ支持者がいるのに、選挙結果に反映されない」など、“小部屋でのスタンダード”が一般に受け入れられていないことに対し、憤りを覚えるのです。

 こうなると小部屋での結束が強いものとなり、共鳴力がどんどん高まります。

 同時に世間とのギャップを埋めるために、正しくない情報が入りこむ「スキ」がどんどん生まれてきます。

 先ほどの例に付け足すと「これだけ支持者がいるのに、選挙結果に反映されない。投票の集計機械が細工されているんだ!」「ネットでは多く言及されているのに、メディアでは取り上げない!きっと報道しないように買収されているんだ!」と、小部屋の意見と現実の整合性を取るために、推測や願望を持ち出し、自分たちを納得させるのです。

 実際このような事例は国内外で多くあがっています。2016年のアメリカ大統領選挙の時には、トランプ大統領の過激な言動を正当化するため、多くのフェイクニュース(事実に基づかないニュース)が流布しました。たとえば、「ローマ法王が大統領選でトランプを支持!」などです。これらのフェイクニュースはトランプ大統領が当選するという選挙結果に影響を与えたと言われています。

記事:歴史の転機 政治とネット ゆがみの是正に英知を

 

対策はやっぱり「偏りを自覚すること」
 エコーチャンバーの対策としては、偏りがないよう多種多様なユーザーをフォローし、バランスをとることが重要です。
 部屋が小さければ小さいほど似たような声や情報が「反響」しやすいため、部屋を広げるのです。

 また自分の偏りを意識することも大事です。
 私はスマートフォンマニアの方とSNSで交流する一方、シニア向けのスマートフォン教室で一般的なスマートフォンユーザーと交流することで、自分の「偏り」を意識することができました。

 先週はインターネットの偏りを紹介しました。

 「検索・アクセス履歴に応じ、インターネットの検索結果などが少しずつ変わる」ということで、対策は「偏りを意識して、バランスをとりましょう」と、今回と同じ結果となっています。

 SNS・インターネットはみなさんの使い方次第で構造的に小さい部屋を構築しやすいのが特徴。一方で、「偏る」現象は、CMを流してくれるスポンサー企業に支えられているTVやラジオ、独自の主張を持った本や新聞にも同じことがいえます。

 結局のところ、いかなる媒体・メディアでもインプットする情報のバランスを考え、常に注意することが必要なのです。
 


 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」6月11日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。



【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/

 


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琉球新報社

最終更新:6/11(日) 10:40
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