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群馬県内の奇祭 独自の風習 伝え守る 存続危機の祭りも 担い手確保課題

6/11(日) 6:00配信

上毛新聞

 風変わりな祭りを意味する「奇祭」。平野部で盛んに行われる夏祭りや祇園祭に対し、群馬県内では奇祭は山間地に多い。地域独特の風習や文化を伝える行事として長年受け継がれてきたが、過疎化によって中断するなど、存続が危ぶまれる祭りもある。中断すると復活は難しく、担い手の確保が課題となっている。

 群馬歴史民俗研究会(代表幹事・板橋春夫日本工業大教授)の意見を参考に、県教委が2001年に発行した「群馬県の祭り・行事」から(1)形態がユニーク(2)県内で類似例がほぼない(3)100年以上続いている―ことを基準に奇祭を選び出した。

■熱意で継続

 下帯姿の男性が柱をよじ登る「ヤッサ祭り」(みなかみ町)は名胡桃(なぐるみ)城(同町)が落城する際、味方が離ればなれにならないよう腰ひもをつかませたという故事など由来は諸説あり、400年以上続く。

 木の柱に武将の人形を飾り付けた高さ約3メートルのまんどうを中学生がぶつけ合う「かつぎまんどう」(昭和村)は地域の秋の祭りで行われるが、由来は分かっていない。江戸期に始まり、現在では中学生がまんどうを手作りするのが習わしだ。

 川原湯温泉に伝わり、湯をかけ合う「湯かけ祭り」(長野原町)は八ツ場ダム建設に伴って開催場所の王湯が移転したが、住民の熱意によって継続されている。

 無病息災など祭りの目的は一般的でも、形態のユニークな祭りがある。墨を住民の顔に付けて回る「すみつけ祭」(玉村町)は塗られた人は病気にならないと伝わる。おひつに入ったおこわを奪い合って握る「にぎりっくら」(片品村)は、こぼしたり、握ったりした量が多いほど豊作になる。

 東毛地域には見る者を圧倒する神事がある。「御篝(みかがり)神事」(桐生市)は氏子が火の付いたまきを投げ合う。全国的に珍しい「探湯(くがたち)神事」(大泉町)は、神職が釜で沸かした熱湯にササを浸し、そのしぶきを頭から浴びて神託を仰ぐ儀式だ。

■保存会を結成

 一方、少子高齢化で運営が厳しくなっているのが南牧村の「火とぼし」。火を付けたわら束を振り回す行事で、大日向地区が400年以上続ける。地域に若者が少なく、祭りの主力は60~70代となり、体力面での限界も近づいている。

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最終更新:6/11(日) 6:00
上毛新聞