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19年度再稼働見通せず 東通原発審査申請から3年

6/11(日) 10:07配信

デーリー東北新聞社

 東北電力が東通原発(青森県東通村)の新規制基準への適合性審査を原子力規制委員会に申請してから3年が過ぎた。焦点となる敷地内断層の議論は膠着(こうちゃく)状態を抜け出しつつある一方、審査対象となっている断層全ての結論がまとまる見通しは立っていない。再稼働時期を三たび延期し、2019年度以降とした東北電だが、実現までの道筋は見えない。

 14年6月に申請した審査は、敷地内の断層が活断層かどうかを巡る評価が長引いている。背景には審査の俎上(そじょう)に上る11本のうち、規制委の有識者調査団が事業者と異なる見解を示した4本の存在がある。

 15年3月の評価書で、調査団は主要断層(F―3、F―9)の活動性を認め、重要施設の直下の小断層(f―1、f―2)について両論併記やデータ不足から判断を保留した。

 規制委はこの評価を「重要な知見」とし、一貫して活動性を否定する東北電に対し明確なデータを要求。これを受け東北電は追加調査に着手し、規制委も自ら現地で確認する―。こうした経過の中で溝は埋まらず、審査は“延長戦”の様相を呈した。

 結局、東北電は今年2月、「19年度の安全対策工事完了後、準備が整った段階」に再稼働を延期。当初見込んだ15年7月から大幅に遅れ、東日本大震災からの停止期間は8年超に上る計算だ。

 ただ3月には、規制委が原子炉建屋直下のf―2に関して「活動性なし」との見解を固めたことで、重要施設下の断層評価は徐々に進展する。f―1と、審査で新たに加わったm―aの二つの断層に関して東北電は、8月までの予定で追加調査に着手し「より直接的なデータを基に議論を進めたい」(佐藤敏秀青森支店長)と強調する。

 一方で、F―3やF―9などは論点を絞った段階にとどまり、実質的な評価作業は進んでいない。

 審査では、耐震関連の他に、重大事故対策などの妥当性もチェックする必要があるが、同型の沸騰水型軽水炉(BWR)で再稼働までこぎ着けたモデルはまだ存在しない。前例のない中で東北電は具体的な工程を積み上げられずにいる。

 重大事故対策などについて「(審査が先行する東北電女川2号機の)方法論を焼き直して東通に適用する」との戦略を描く東北電だが、新たな目標達成に向けた「残り時間」は決して多くはない。

デーリー東北新聞社