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大阪工大、“宇宙ドローン” に挑戦 超小型衛星に電気推進エンジン搭載

6/11(日) 8:30配信

日刊工業新聞電子版

■超小型衛星「プロイテレス衛星2号機」

 主衛星と同時に打ち上げられる超小型衛星は軌道や高度に制限があり、用途や稼働時間に限界が生じる。その課題解決に向け、大阪工業大学工学部の田原弘一教授らは、電気推進ロケットエンジンを搭載し、動力航行が可能な「プロイテレス衛星2号機」を開発中。田原教授は目標を「宇宙の飛行ロボット(ドローン)」と掲げる。

 推進機の搭載により高度変更をできるのが特徴。自在に観測ができる衛星として実用化を目指している。地球に近づけるため、大気や地表の観測がしやすい。

 高度変更によって公転周期も変えられるため、任意の地点の上空へのスムーズな移動も可能だ。役目を終えれば大気圏に突入し、宇宙ゴミとならない。

■パルス状にプラズマジェット

 動力による長距離の自律航行実現に向け、2012年9月に打ち上げた1号機を元に、電力推進機を大電力化。パルス状にプラズマジェットを吹く推力発生源の「パルスプラズマスラスター」(PPT)の放電室を1個から7個に増やした。電力は1号機の10倍、推進力は100倍だ。20キロ―100キロメートルの高度変更を目指す。

 衛星の大きさは500ミリ×450ミリ×500ミリメートルの直方体で質量は50キログラム。試作機が完成しており、試験をしながら形状や材質に変更を加える。PPTは部品の1ミリメートル以下の誤差で個体差が生じるため、調整して信頼性を向上。年内に最終試験を終える計画だ。

 大阪工大の知的財産学部や関西の製造業と連携し、観測用衛星として製品化の準備を進める。違うタイプの推進機を搭載した3号機も計画中だ。