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当日ですら読めない波 サーフィン、五輪運営へ課題

6/11(日) 10:39配信

千葉日報オンライン

 2020年東京五輪の追加種目に決まり、五輪で初採用となることから注目を集めるサーフィン。5月22~28日には競技会場の千葉県一宮町・釣ケ崎海岸で、五輪会場に決定以降初の国際大会世界サーフリーグ(WSL)下部シリーズ、一宮千葉オープンが開かれた。2万5千人の観客が詰め掛けるなど、大会そのものは盛況だったが、十分な波が立たず競技開始が1日延期されるハプニングも。特に珍しくないため競技関係者は冷静に受け止めるが、自然条件に左右される競技の特性上、五輪における運営面の課題も見えてきた。

 「よくあることだ」

 “波不足”で1日延期され、23日から競技が始まったが、関係者はそう口をそろえて冷静に受け止める。

 自然の波を相手に、技を競い合うサーフィン。天候の影響を受けるため、中断や進行の変更は織り込み済みという。

 「適さない波は必ずある。延期期間がある」とは、今大会の主催団体・WSLJAPANの近江俊哉代表。今回も7日の開催期間中、2日延期になっても消化できるプログラムだったため、スムーズに運営できた。

 世界のトップサーファーら約150人が出場。主催団体によると、無料で楽しめる観客は昨年の1・5倍となる約2万5千人に上るなど関心の高さをうかがわせた。

 ただ、五輪となるとどうか。「世界大会レベルの波でできるか、(競技)時間帯に立つかの保証はない。今後の課題になる」(近江代表)。

 東京大会は男女各20人で争われ、日程も2日間と大会の規模は小さいが、当日ですら読めない波は、テレビ中継や観客を想定する運営側にとって悩みの種。日本連盟によると、早くも国内テレビ各局からは録画放送が現実的との声が出ているという。

 そんな中、注目されるのが人工的に波をつくり出す技術。

 5月28日までフランスで開催された、世界一を決めるワールドゲームズに出場した日本チームは大会前にスペインの人工波プールを視察。担当者は「東京五輪は海で行うことが決まっているが、この技術の素晴らしさを伝えることで選択肢を増やしたい」とアピールする。日本サーフィン連盟の井本公文強化委員長も「サーフィンの醍醐味(だいごみ)は自然の波だが、運営面を考えると人工波という部分は確かにある」と明かす。

 ただ、釣ケ崎海岸が五輪会場に決まった大きな理由の一つが「良質な波」。

 国内有数のサーフポイントとして知られており、同連盟の大海英一千葉東支部長は「サーフィンができない日は一日もない」と太鼓判。そして「自然環境の全てを踏まえてするのがサーフィンだ」と力を込めた。