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「ふるさと納税」の落とし穴 ワンストップ特例で損しないように注意したい2つのポイント

6/11(日) 7:20配信

マネーの達人

ふるさと納税で、損しないように注意したい点について

平成27年から導入された「ワンストップ特例制度」は、確定申告したくない会社員にはありがたい制度ですが、こちらも盲点のある制度です。

返礼品規制が進む中、ふるさと納税の恩恵を最大限受けたいのであれば、ワンストップ特例の落とし穴には気をつけたいものです。

会社員だけでなく税務署の事務省力化のための制度でもある

ふるさと納税を行った場合は、通常は確定申告で寄付金控除として申告しないと所得税・住民税減税の恩恵を受けることができません。

ワンストップ特例制度とは、5つの自治体までふるさと納税を行った場合に、その各自治体に申請を行うことで、確定申告が不要になる制度です。

給与所得しかなく年末調整されるサラリーマンなどには、確定申告の手間が省けるメリットがあります。

もう1つの目的としては法人や資産の課税事務に重きをおきたい、税務署の事務省力化のためにもあります。

年末調整も確定申告不要制度と言えますが、この他にも年金年額400万円以下の方に対する制度もあります。

盲点(1)~ワンストップ特例で済まさず確定申告したほうが得するケース

一般的に住民税額の2割(実際はもっと大きい)と言われる限度額を超えてふるさと納税しないほうがいいのですが、万が一超えてしまった場合はワンストップ特例で済ませると損をします。

これはなぜでしょうか?

ワンストップ特例を活用した場合の減税幅を分解すると、下記のようになります。

■A 所得税減税分

計算式は

 (ふるさと納税の額 - 2000円)× 所得税率

ですが、ワンストップ特例では活用できません。

■B 住民税寄付金税額控除(基本控除)

 (ふるさと納税の額 - 2000円)× 10%

「ふるさと納税の額」の上限 : 総所得金額等の3割

■C 住民税寄付金税額控除(特例控除)

 (ふるさと納税の額 - 2000円)×(1 - 10% - 所得税率)

特例控除の上限 : 調整控除だけを差し引いた所得割の2割

■D 住民税寄付金税額控除(申告特例控除分)

 C × 所得税率 ÷(1 - 10% - 所得税率)

■計算上の注意点

ワンストップ特例は確定申告不要制度のためAの所得税減税にはならず、代わりにDが住民税から控除されます。

Dは結局

 (ふるさと納税の額 - 2000円) × 所得税率

になりますから、Aと同じ数字になるように見えるのですが、Cに2割の上限額があるのがポイントです。

例えば、下記のケースでワンストップ特例を活用した場合を考えましょう。

■確定申告を行ったほうが良いケース

ふるさと納税の額 : 15万2000円

年末調整で計算した際の所得税率 : 20.42%

調整控除だけを差し引いた住民税所得割の額 : 50万円

※Bは総所得金額等による上限を超えていないものとします。

ワンストップ特例による減税額は

 B + C + D = 1万5000円 + 10万円 + 2万9347円 = 14万4347円

Cに関して数式の通りの計算では、

 (15万2000円 - 2000円)×(1 - 10% - 20.42%)= 10万4370円

ですが、50万円 × 20% = 10万円を超えるため、減税幅10万円にとどまります。

ワンストップ特例で済まさず、通常の確定申告をした場合は、

 A + B + C = 3万630円 + 1万5000円 + 10万円 = 14万5630円

と減税幅が増えます。労力をかけて確定申告をしたほうがより得になるケースもあるものですね。

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最終更新:6/11(日) 7:22
マネーの達人