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銀座はブラブラする場所ではなかった!

6/11(日) 19:52配信

ニュースイッチ

コーヒー1杯で2時間、時代が変わっても文化活動の一大拠点

 日本を代表する商業エリア銀座。銀ブラの言語は銀座をブラブラではない。銀ブラ証明書を発行しているのは創業100年の「カフェーパウリスタ銀座本店」である。

 証明書には、あなたは本日、銀ブラ(銀座通りを歩いてカフェーパウリスタにブラジルコーヒーを飲みに行くこと)を楽しんだことを証明します。と記載されている。

 大正時代、パウリスタは文化活動の一大拠点で、文学の世界では芥川龍之介、菊池寛、正宗白鳥、広津和郎、久保田万太郎、久米正雄、佐藤春夫、獅子文六らの文学者の多くが常連だった。その関係で、昔を懐かしむ人が訪れるのも少なくない。パウリスタは、コーヒー1杯で1時間でも2時間でも粘っていても、嫌な顔をしなかったとのこと。

 今日、銀座は相次ぐ商業施設の開業・改装で大きく変わろうとしている。銀座では商業集積が一段と進んでいる。

 2020年の東京五輪を見据え、内外の観光客を呼び込むため、今後も再開発やリニューアルが加速するとみられる。

 銀座の強みは新陳代謝の激しさが時々の主役を引き付けていることである。今年70代に入る団塊世代がまだ若かった頃、完成間もないソニービル周辺は若者であふれていた。若者発ファッションの「みゆき族」も銀座で誕生し、時代の主役は若者だった。

 80年代にはOL層狙いの有楽町マリオンができた。90年代には銀座の地価がバブル期の3分の1に下がり、経営に行き詰まった店の跡に海外高級ブランド店が増えた。また、低価格のファストファッションやカジュアルショップが乗り込んできたことから、若者客が銀座に増えた。

 近年はインバウンドの急増で外国人観光客に対応した店が目立っている。一時は爆買い客で銀座通りが、ごった返していたが、近頃は落ち着きを取り戻してきた。

 大人の銀ブラで、ゆっくり買い物を楽しめる空間を増やし、目の肥えた客を呼び戻そうとしている。

 長い歴史を有し、代々続く老舗も多い銀座は、変えるものと守るもののバランスの巧みさで、いつの時代も憧れの街であり続けている。

 店や人は入れ替わっても、銀座はそれぞれの時代に最も適した時期の「旬」であるという点は一貫している。

上野延城(日本経営士会)

最終更新:6/11(日) 19:52
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