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オスタペンコがグランドスラムでツアー初優勝 [全仏テニス]

6/11(日) 16:00配信

THE TENNIS DAILY

 フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会14日目、女子シングルス決勝で、2日前に20歳になったばかりの世界ランク47位、エレナ・オスタペンコ(ラトビア)が第3シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)を4-6 6-4 6-3で破り、グランドスラム初制覇を果たした。試合時間は1時間59分。

20歳の新星オスタペンコが初優勝、その力は本物か [全仏オープン]

 ノーシードから優勝を果たしたオスタペンコは、1933年にマーガレット・スクリブン(イギリス)がタイトルを獲得して以来のノーシード選手の優勝者となり、また、グランドスラム大会がツアー初タイトルということも、約40年ぶりの快挙となった。

「試合直前は少し緊張していたけど、コートに立ったらそんなの吹き飛んだわ」と、ラトビア出身の選手として初めてグランドスラム・タイトルを獲得したオスタペンコは言った。

 一方、ハレプは2014年大会の準優勝者であり、もしこの決勝で勝てば初の世界ナンバーワンの座に就くはずだった。

 ハレプは第1セットを先取し、第2セットも3-0とリード。続く第2セット第4ゲームでも3本のブレーク・チャンスを握り、ハレプの勝利は目前に迫っていた。

 しかし、オスタペンコの反撃はここから始まった。オスタペンコはこの第4ゲームを奪うと、このあとも3ゲームを連取して、第2セットはオスタペンコが奪った。

「初めは少し緊張していたの。だけど、すぐほぐれたわ。私は何も失うものはないわけだから、ただ試合を楽しんで、自分のベストを尽くした」とオスタペンコは試合後にコメントした。

 全仏の女子シングルス決勝で第1セットを奪われてからの逆転勝利は、2001年にジェニファー・カプリアティ(アメリカ)が1-6 6-4 12-10でキム・クライシュテルス(ベルギー)を倒して以来となった。

 第3セットでもオスタペンコは一時ハレプに3-1とリードされるも、その後の5ゲームを連取し、6-3でこのセット奪って勝利を決めた。

「あなたは子供みたいなんだから、楽しんで、喜んで、そして頑張ってね」と、25歳のハレプは表彰式で20歳のオスタペンコに声をかけた。

 オスタペンコはグランドスラム大会にこれまで8回出場していたが、3回戦以上に進出したことはなかった。彼女はクレーコートよりもグラスコートのほうを得意としていて、2014年ウィンブルドン・ジュニアでシングルス・タイトルを獲得している。

 オスタペンコは、2015年の全仏では予選で敗れ、昨年は1回戦敗退だった。

「彼女がいいプレーをすること自体は誰もがわかっていることだけど、誰も彼女が優勝するなんて思ってもみなかったんじゃないかしら」と、今年の4月からオスタペンコのコーチを務めるアナベル・メディナ ガリゲス(スペイン)は言った。

 なぜオスタペンコにこれまでツアー・タイトルがなかったのかと聞かれると、「わからないわ。実際のところ理解できない部分がある。本当にこの勝利は信じられない」とメディナ ガリゲスは答えた。

 グランドスラム大会で初のツアー・タイトルを獲得したオスタペンコ。これは、1979年の全豪オープンでバーバラ・ジョーダン(アメリカ)が優勝して以来のことだ。偶然ではないが、今大会は過去のグランドスラム大会の優勝者が一人も準々決勝に進出しなかったが、それも1979年以来である。

 オスタペンコの快進撃の背景には、セレナ・ウィリアムズ(アメリカ)が妊娠中のために欠場、マリア・シャラポワ(ロシア)は禁止薬物使用による出場停止処分解除後にワイルドカード(主催者推薦枠)を拒否されて出場できなかったことなどがある。そのほかにも、2度グランドスラムで優勝しているビクトリア・アザレンカ(ベルラーシ)の不在や、現世界1位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)の1回戦敗退などが挙げられる。

 オスタペンコは、大胆なプレースタイルでテニス界に突然姿を現した。彼女は、大きく息を吐いてショットを放ち、速い展開のテニスを好む。そのようなプレースタイルには若さがみられたが、ミスをしたときに太ももを叩き、ラケットをコートに叩きつけ、手を上げてミスを悔やむポーズなどの態度にも、若さが現れていた。

 オスタペンコは、この試合で54本のウィナーを奪い、一方のハレプのウィナーは8本だった。また凡ミスは、オスタペンコの54本に対して、ハレプは10本にとどまった。

「オスタペンコが絶好調のときは手がつけられないよ。彼女の打ったボールをただ見ているだけになるからね」と、ハレプのコーチを務めるダレン・ケーヒル(オーストラリア)はコメントした。

 第1セットのハレプのポイント獲得数は33ポイントで、そのうちウィナーは1本だけだった。しかし、気温25度のそよ風が吹く青空の下、オスタペンコとハレプの完全に異なるプレースタイルから一進一退の攻防が繰り広げられ、多くの素晴らしいプレーが見られた。

 その後、第2セット後半と第3セットで、オスタペンコがハレプを圧倒し、この試合を制した。観客席にはテニスコーチで、オスタペンコに最初にテニスを教えた母親の姿も見られた。

「緊張で胃が痛くて吐きそうだった。まだ勝つ準備ができていなかったのかもね」とハレプは言った。一方でオスタペンコは、彼女が思っていた以上に早く勝つ準備ができていたということなのだろう。(C)AP (テニスマガジン/テニスデイリー)

最終更新:6/11(日) 16:00
THE TENNIS DAILY