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主戦論か現職支持か 川崎市長選で割れる自民

6/11(日) 16:01配信

カナロコ by 神奈川新聞

 川崎市長選(10月22日投開票)の対応を巡り、自民党の意見が割れている。再選出馬の意向を表明した現職の福田紀彦市長(45)に「対抗馬を擁立すべき」とする主戦論と、「現職支持に回るべき」との擁立見送り論があり、その隔たりは大きい。市議会最大勢力の動向は選挙の構図を左右するが、調整が長期化する可能性もある。

 「市長選が市民にとってもっとも有益な形となるよう、われわれは歩を進めなければならない」。10日の党市連定期大会。会長の山際大志郎衆院議員はあいさつで言及した。だが特段の方針は示さず「協議中」との報告にとどめた。

 同党の議論は、市内の団体幹部でつくる「川崎の発展を考える会」(会長・山田長満川崎商工会議所会頭)が福田氏再選支持で同調を持ちかけてきたことを受け本格化。山際会長と大島明幹事長が3月16日に党市連事務所で山田会長らと会談。同30日の総務会に諮り、まず市議団の判断を聴くことを決めている。

 市議団は翌月から議論。ベテランから「考える会と協調し候補擁立を見送るべき」との意見が出た一方、若手、中堅から「最大会派として自前の候補を立てるべき」との声も上がった。

 2013年の前回市長選を振り返ると、同党は民主、公明との3党で元総務官僚の新人を推薦し、相乗り批判を展開した福田氏に敗れた。その経緯を踏まえれば主戦論の余地もありそうだが、「考える会」からの投げ掛けがその広がりを封じている形だ。

 同会には、自民党を支えている各種団体幹部らが名を連ね、地元政財界の重鎮で党市連特別顧問の斎藤文夫元参院議員も加わっている。主戦論の市議から「福田市長が『政党推薦は求めない』と公言しているのにわざわざ支援を決める必要があるのか」との不満も漏れるが、考える会の提案は「簡単に断ることができない」(同党市議)というのが共通認識だ。

 このため市議団は、矛盾した対応を取らざるを得なかった。5月25日、団内で出馬の意欲を示した嶋崎嘉夫(52)と吉沢章子(53)の2市議の意向を市連に報告することを決めた一方で、考える会の提案に対し賛否を判断せず、回答を留保することにしたのだ。

 市連所属の国会議員や県議の中には「市議団は何も決めず丸投げする気か」(ベテラン県議)と冷ややかな反応もある。山際会長は大会後、2市議の出馬意向への所感を問う記者らの質問に答えず、やや憮然(ぶぜん)とした表情で説明した。

 「党市連としては、考える会からの話に対する市議団の回答を待っている。それが組織で決めたことだ」