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「人生観が変わった」そのポイントとは あがり症の克服、手助けする沖縄の教室

6/11(日) 5:00配信

沖縄タイムス

 人前で話すと手足が震え、頭が真っ白になる。そんな「あがり症」の克服を手助けする教室が沖縄県内にある。「あがり」のメカニズムを脳科学の視点から理解した上で、発声や滑舌、姿勢など「話し方の技術」を身につけるカリキュラム。10年以上あがり症に悩み、数人の前ですら話すことができなかったという受講者の50代の女性は「何百人の前で話しても平気になり、人生観が変わった」と自信を取り戻した喜びを語った。(学芸部・座安あきの)

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 フリーアナウンサーでコミュニケーションカウンセラーの吉田文子さんが開く「あがり症克服講座」。要望に応じて個人や小人数のグループで開き、最初の開催から9年目を迎えた。

 「あがる人とあがらない人の違いは不安の感情をコントロールできるかどうか。人の評価を気にする気持ちを抑え、話し方に自信をつける訓練を重ねることであがらなくなる」と話す。

 堂々と話せる人は「声が聞きやすい」「論点の整理がうまい」「滑舌がいい」などの特徴がある。講座ではそれぞれの「弱い部分」を分析して、あがる原因を探り、各受講者の特性にあった訓練方法をアドバイスしている。

 5月末に訪ねた教室では、会社員の男性(39)が個人レッスンを受けていた。男性は20代の頃、朝礼の発表の場で上司に突然指名され、思うように話すことができなかった経験が最初のつまずきになった。克服しようと何度か人前で話すことに挑戦したが、「むしろ症状が悪化して逆効果に」。40代にさしかかって、役職に就く立場になり「避けては通れない」と決意し、教室の門をたたいた。

 この日、他の受講生を前に自身のあがり症の経験を発表した男性は「これまでは震えて途中で止めてしまうことが多かったけど、文節に短く区切り、あごを使って話すことを意識し、何とか不安感を抑え切れている」と語り、最後まで落ち着いて話すことができた。

 県内の金融機関で働く50代の女性は「こんなに話せるようになるなんて、自分の変化に驚いている」と話す。上ずりやすい「のど声」を改善するため、おなかから声を出す練習を繰り返し、習慣にした。

 女性は30代で役職に就いて以来、部下の前で話す際「緊張で頭が真っ白になり、思っていることの半分も話せない」状態が10年以上続いた。職員研修の担当部署の責任者になったことをきっかけに、奮起した。

 多くの受講者に共通するのが、「まじめで向上心が強く、完璧を求める性格」と吉田さんはいう。起こった出来事に対しマイナスの感情が生まれやすい人が多い。前向きな言葉に置き換える訓練で、思考のくせを変えることができる。「失敗してもいい。欠けている小さなことを探すのではなく、できている部分に注目して自分に合格点を付けてあげて」と語った。

 問い合わせは吉田さんの携帯、090(1948)0670。

最終更新:6/11(日) 5:00
沖縄タイムス