ここから本文です

社説[セブン進出]地元目線で需要開拓を

6/11(日) 14:00配信

沖縄タイムス

 コンビニの雄「セブン-イレブン」が沖縄に進出する。 県内に多くの店を構えるファミリーマートとローソンにセブンが参入し、業界は「3強」時代を迎えることになりそうだ。

 挑むセブンに迎え撃つファミマとローソン。三者の競い合いが、県民ニーズに応える商品の開発や新サービスの提供につながることを期待したい。

 セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長が記者会見し、2019年度をめどに1号店を開き、5年で約250店に広げる計画を発表した。

 国内コンビニ数は5万店を超え、市場全体に飽和感が広がるが、人口が増え、観光客数が右肩上がりの沖縄マーケットは「魅力的」だという。

 出店にあたり店舗運営を円滑に進めるため、100%出資の子会社を県内に設立。サンドイッチやおにぎりなどの食品を製造する専用工場を造り、配送体制の整備も進めていく。

 一定の地域に店を集中させブランド浸透と配送効率を高める「ドミナント戦略」がセブン得意の方式である。都道府県唯一の空白地だった沖縄への進出は、工場を設け配送コストを抑えるめどが立ったことも背景にある。

 さらにセブンにとって沖縄は店舗を広げるだけでなく、アジアに向けた物流拠点としての位置付けも大きい。税制面で優遇される経済特区を活用し、プライベートブランド(PB)をアジア各地に届けたい考えだ。

 沖縄の地理的優位性を生かし成長著しいアジア市場を取り込もうとの県の構想とも重なる戦略である。

■ ■

 「24時間」「年中無休」の営業スタイルで県民の生活に溶け込むコンビニ。手軽な「中食」やいれ立てコーヒーが人気で、文具や化粧品も充実し、公共料金の支払いやATMなどサービスを広げながら進化し続けている。

 県内では既に沖縄ファミリーマートが319店、ローソン沖縄が212店を展開。ファミマはリウボウ、ローソンはサンエーと提携することで、沖縄限定のお弁当など地域目線を大切に成長を遂げてきた。

 先行2社をセブンがどれだけ追い上げられるかは未知数。しかし業界トップのセブンのすごいところは、PBなどに見られる商品開発力である。ライバルとの差別化を図りながら、県民の好みに合わせたファストフードなど今後の商品展開に注目が集まる。

■ ■

 セブンが目標とする250店舗が実現すれば、コンビニ店舗数は一気に現在の1・5倍に増える。

 飽和状態を指摘する声もあり、顧客争奪戦の過熱は避けられない。人手不足は今も深刻で、人材確保と同時にセルフレジの導入など省力化も課題に上る。

 コンビニは利便性の高さが支持されてきた業界だけに、新たなニーズの掘り起こしが、さらなる成長につながる。

 生き残りの鍵となるのは、高齢化や女性の社会進出といった時代の変化に即した店づくりと、「沖縄らしさ」の追求である。

最終更新:6/11(日) 14:05
沖縄タイムス