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利常愛用の如是庵初公開 那谷寺、床に直筆手紙

6/11(日) 1:43配信

北國新聞社

 小松市の那谷寺は10日、同寺開創1300年を記念して「一筅讃白(いっせんさんびゃく)茶会」を同寺で開き、370年以上前に建てられた加賀藩3代藩主前田利常が愛用し、県内で現存する最古の茶室「如(にょ)是庵(ぜあん)」を初めて一般公開した。如是庵の床には、利常直筆の書状の軸が掛けられたほか、別室では前田家ゆかりの茶道具を用いて茶会が開かれ、参加者は寺の再興に尽くした利常の功績をしのんだ。

 那谷寺によると、如是庵は1640(寛永17)年ごろ、利常による寺の再興と同時期に境内に作られた。利常に仕えた茶道裏千家の祖、仙叟(せんそう)宗室が建てたとされ、市文化財に指定されている。如是庵はこれまで保存のために非公開だった。節目の年に、荒れ果てた寺を整備した利常の功績へ感謝する場として茶会を企画した。

 茶会には県内外から12人が参加した。如是庵では、かがまないと入れない「にじり口」の代わりに、立ったまま出入りできる「貴人口」が設けられ、点前(てまえ)座の脇には茶道具を受け渡す戸口が作られるなど、利常の意向が反映されたとみられる、珍しい構造に目を凝らした。

 如是庵の床に掛けた書状は、那谷寺が利常にワラビなどの山菜を贈ったことに対するお礼の手紙で、同寺が所蔵している。

 如是庵の見学に続いて、隣接する茶室「自生庵」で茶会が開かれた。利常をはじめとする、前田家歴代藩主が同寺に寄贈した茶しゃくや花生けなどが使われ、利常と親交のあった金森宗和が創始した宗和流の茶道家がもてなした。木崎馨(けい)山(せん)住職があいさつした。

 一筅讃白茶会は3日間開かれ、11日は裏千家流、12日は遠州流の茶席でもてなす。

北國新聞社

最終更新:6/11(日) 8:46
北國新聞社