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明日は我が身! スマイリーキクチに聞く「ネットのデマ」との戦い方 「僕の経験は負のサンプルです」

6/13(火) 7:00配信

withnews

 18年もの間、ネット上の「デマ」と闘ってきた男性がいます。お笑い芸人のスマイリーキクチさん(45)です。フェイクニュースも問題化している今、全国各地の学校を飛び回り、子どもたちに自身の体験を伝えています。講演の主眼は、いかにして「デマを広める加害者にならないか」ということ。壮絶な闘いの末に得た教訓を、聞きました。(朝日新聞デジタル編集部・信原 一貴)

【画像】Wikipediaにまで…スマイリーキクチさんを襲ったデマ、詳しく紹介

なりすましが「許して」

――ネットでのデマや誹謗中傷は、なぜ始まったのですか。

 「突然です。1999年に、10年前の凶悪事件に私が関わっていたというデマが広まりました。巨大ネット掲示板『2ちゃんねる』に『人殺しは死ね』『白状して楽になれよ』などと書き込まれ、それが事務所の公式サイトの掲示板に広がりました。根拠は、私が事件のあった東京・足立区出身で、犯人たちと同じ世代ということだけです」

――拡散していくデマに、どのような思いでしたか。

 「最初は他人事でしたね。なんだこりゃと。全く僕じゃない、僕の人物像がネットの中に存在している。誹謗中傷に対して、スマイリーキクチを名乗る何者かが『もう過去のことは許して下さい』『私にも人権があります』と書き込んですらいる。私や事務所が公式サイトで否定しても『火のないところに煙はたたない』『事件をもみ消そうとしている』と邪推される」

 「殺す、死ねといった脅迫的な書き込みや、『事件をライブでネタにしていた』といったデマも増え、やむなく事務所の掲示板を閉鎖すると、今度はCMスポンサーに『殺人犯を出すな』と苦情の電話が入るようになりました」

――冷静に考えれば、ありえない話です。

 「世間を揺るがす凶悪犯罪を起こした人間が、芸能事務所にいられるわけがない。事実ならすぐに週刊誌が書き立て、テレビなんて出られなくなる。もっと言うと、事務所がもみ消しに躍起になるほどの存在なら、俺はもっと売れているはずだと。そこになぜ気づかないんだろうと。デマを広める人は、すなわちデマにだまされやすい人です。邪推を重ね、否定する材料に目を向けない。デマを自分の頭で考え、批判的に見ることができないんです」

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最終更新:6/13(火) 7:17
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