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<相場の見方、歩き方>世界情勢よりも足元の景気動向、しばらく続く半導体業界の活況(1)

6/12(月) 8:20配信

モーニングスター

 鈴木一之です。関東地方は梅雨入りしました。まもなく夏の日差しがやってきます。

 今週も株式マーケットは難しい選択を余儀なくされました。前週末の時点で日経平均株価は2万円の大台に乗せましたが、これとて必ずしも狙って取りに行ったという感じはさほどありませんでした。

 むしろ気がついたらいつの間にか大台に乗せていた、という方が本当のところです。悲惨なテロ事件が頻発する状況下で英国は総選挙に突入し、その結果を見てからでも遅くない、という手控えムードの強い週となりました。

 米国ではあいかわらず、トランプ大統領の周辺がにぎやかです。大統領が司法妨害を行ったか否かを問うコミー・前FBI(米連邦捜査局)長官の議会証言が予定され、同じ日に欧州ではECB(欧州中央銀行)理事会も開催されました。

 結果的にはどちらもマーケットを大きくかき回すことにはなりませんでしたが、それはあくまで結果論であって、今週はやはり静観を決め込むのが最も賢明である、という週に終わりました。

 中でも極めつけは、カタールに対するサウジアラビア、エジプト、リビアなど中東産油国の国交断絶です。月曜日に降って湧いたように表面化したニュースですが、冷静に考えて、海底で巨大な天然ガス田を共有するイランとカタールの関係を考慮すれば、いずれこのような形になるのも無理はないのかもしれません。

 しかしあまりに唐突な感の強い今回の断交措置に対して、世界のマーケットはまったく無防備でした。

 中東情勢が今後、軍事的な衝突に発展するのか、かつての中東戦争のような事態に発展するのか、ホルムズ海峡の封鎖は起こりうるのか、そうなった場合に原油の輸入途絶のような状況に陥ることはないのか。

 カタールとの国交断絶を解除して元の秩序を取り戻すには何がどうなればよいのか、など現時点ではわからないことの方がはるかに多いような状況です。

 世界はますます秩序のない状況に陥っているかのような感覚は拭いきれず、不透明感はますます強まっていると感じられます。が、しかしマーケットは驚くほどの堅調さを示しています。

 とりわけ米国の株式市場の堅調さには目を見張ります。やはり本筋は経済の好調さ、企業業績の堅調さにあると見るべきなのでしょう。株式市場の基本、マーケットの基本はまったく揺らいでいない様子です。

 日経平均株価も2万円の大台に乗せたところでいったんは達成感が広がっており、高値圏で神経質な動きを続けた一週間でした。しかしよく見れば、株式市場は動きを止めているようでいて、それなりに活発に動いてもいます。

(2)へつづく

 *おことわり この記事は、2017年6月10日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。

提供:モーニングスター社
(イメージ写真提供:123RF)

鈴木 一之