ここから本文です

村田&大田しっぺ返し 巨人OBがハム“根気起用”学べと提言

6/12(月) 12:02配信

日刊ゲンダイDIGITAL

「恥ずかしいですね。村田も大田も、巨人が自ら手放した元ドラフト1位の選手にやられての敗戦ですから」

 こう呆れるのは、巨人OBで元投手コーチの中村稔氏(評論家)だ。

 11日の試合。巨人打線は7年ぶりに日本球界に復帰した日本ハム先発の村田透(32)から5回で1点を取るのがやっと。プロ初白星を献上した。

 投手陣は、この日も本塁打を浴びた大田泰示(27)に3連戦で10打数7安打2本塁打とメッタ打ち。巨人の高橋由伸監督(42)は「工夫のなさなのか力のなさなのか。同じ打者に何度も打たれていては話にならない」と怒ったが、中村氏が言うように、巨人にとってはある意味、13連敗よりショックが大きい敗戦になったのではないか。

 巨人はこの村田を2007年大学生・社会人ドラフト1巡目で獲得したものの、一軍登板がないまま、10年に戦力外通告。「ドラフト1位選手をたった3年でクビ」と球団の非情さが話題になった。12球団合同トライアウトを受けた村田は当時、こんな思いを吐露していた。

「ファームでもほとんどチャンスをもらえなかった。正直、納得していません。『育成の巨人』というなら、もう少しチャンスが欲しかった」

 これに当時の球団代表が怒った。球団内で引退を条件に用意していた球団職員としての再雇用を白紙に戻す、と大荒れだったというが、村田は意に介さず、トライアウト後にインディアンスとマイナー契約を結んだ。主にマイナーリーグで腕を磨き、クビから7年の時を経て、古巣に強烈なしっぺ返しをお見舞いした。お立ち台で「(巨人は)プロの世界でやるために(経験を)築いた大事な3年間。結果を出してお礼したかった」と涙ぐんだが、これはリベンジの涙だろう。

■日本ハムで人が育つ理由

 08年ドラフト1位で巨人に入団した大田もしかり。中村氏は「今の大田はしっかり振っている。巨人時代とはまるで別人です」とこう続ける。

「もともと持っている能力は高い。しかし、巨人はその才能を開花させてやれなかった。期待はしても我慢ができない。若手を引き上げても、1打席ダメなら二軍に落ちるという使い方で、選手は結果が欲しくて汲々とし、持ち味を失っていくことの繰り返し。その象徴が大田ではないか。近年の巨人は層が厚かったから、減点法でどんどん選手をふるい落としていた。元気のいい広島やパ・リーグのチームを見ていると、少々のミスは気にせずに思い切ったスイングをする。ミスや凡打より、1本が評価される加点法なんですね。若い選手がどんどん出てくる日本ハムと巨人の違いはここ。巨人は勝利が義務付けられていると言うが、今は常勝でもなんでもない。こういう起用法を見習う時期がきていると感じます」

 その通りである。昨オフに大田のトレードが成立した際、日本ハムの栗山監督は「巨人では常に結果を求められた? こっちは我慢する時はする。本人には『思い切ってやってくれ』と伝えた」と根気強く起用すると明言している。

 球団ワーストの13で連敗を止めたと思ったら再び2連敗の巨人。それも、育て切れずに放り出した選手にやられたのだから、これほどみっともない敗戦もない。先制を許した試合はこれで18連敗。村田、大田の本音は、「巨人を出て本当に良かった」に違いない。

スポーツナビ 野球情報