ここから本文です

「坂本龍馬を斬った男」全国へ発信 地元の島田・初倉にNPO

6/12(月) 17:15配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 「近江屋事件」で坂本龍馬を斬ったとされる元幕臣で、初倉村(現島田市初倉)の村長を務めた今井信郎(1841~1918年)の生きざまを後世に伝えようと、地元住民が「NPO法人初倉まほろばの会」を設立した。近江屋事件から150年の節目で、来年に今井の没後100年を迎えるのに合わせ、地域の歴史を全国発信していく。

 「世界一長い木造歩道橋」として知られる同市の蓬莱橋の南側、今井の屋敷跡(同市阪本)が活動拠点となる。現地には、今井の初倉村での業績を顕彰しようと地元住民が2003年に建立した高さ2・6メートルの石碑と、義娘にあたる歌人邦子が初倉で詠んだ歌碑がある。

 メンバー約30人は今後、蓬莱橋と屋敷跡地をつなぐ散策路を整備したり、看板やベンチのほか、情報誌を作ったりしていく予定。将来的にはボランティアガイドなどにも取り組むという。

 同会によると、今井は1878年に初倉に移住し、亡くなるまでの40年間、地域の発展に尽力した。榛原郡農事会長や村議会議員、村長などを歴任。榛原高の前身にあたる「堰南(えんなん)学校」の設立にも携わったとされる。

 同会の大塚靖郎副理事長(73)は「なぜ暗殺者を顕彰するのかという声もあるかもしれないが、今井が後半生に残した大きな功績を次世代につないでいきたい」と話す。邦子の歌碑を増設することも検討している。

 ■近江屋事件や功績 1冊に

 NPO法人初倉まほろばの会理事長で郷土史家の塚本昭一さん(82)がこのほど、今井信郎の生涯をまとめた「白雲の魁(さきがけ)」を自費出版した。

 塚本さんが2002年に出した「坂本龍馬を斬った男 今井信郎風雲録」の改訂版で、補完加筆した。A5判320ページで、「その時歴史が動いた 近江屋事件」など4章で構成する。

 さまざまな文献を基に、坂本龍馬が暗殺された近江屋事件や、今井の島田市移住後の功績、人脈などを考察している。一冊2000円で販売し、NPO法人の活動資金に充てる。購入希望者は塚本さん<電090(9936)3397>へ。



 <メモ>いまい・のぶお 1867年に京都で起きた近江屋事件で京都見廻組の一人として坂本龍馬を斬ったとされるが、諸説ある。牧之原茶園の開拓を指揮した中條景昭を慕い、1878年に牧之原台地に入植。1906年に初倉村4代目村長に。地域の産業、教育、文化の発展に貢献した。

静岡新聞社

Yahoo!ニュースからのお知らせ