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ディズニーの手描きの“今” 2Dアニメーションは本当に失われたのか?

6/12(月) 10:00配信

シネマトゥデイ

 映画『モアナと伝説の海』には、“手描き”のキャラクターが登場する。この作業を担当したエリック・ゴールドバーグは、手描きのアニメーションを描いたのは『くまのプーさん』(2011)以来だったと言う。現在は『アナと雪の女王』『ズートピア』と3DCGアニメーション作品が続いているディズニー。ディズニーの手描きの今についてエリックや、『モアナ』監督のジョン・マスカーらが語った。

【動画】手描きとCGの融合!ミニマウイの動き

 『モアナ』の登場キャラクター・マウイの体に存在する、彼の体を動き回るタトゥー“ミニマウイ”こそ、アニメーターがライティングボックス(トレース台)を使ってアナログで描いたスケッチを、デジタル処理し、CGのキャラクター上に貼り付けるという作画方法が取られた“手描きキャラクター”だ。そのためミニマウイの動きには、伸縮など2次元的な特徴が強く出ている。このミニマウイを手掛けた一人が、1990年からディズニーでアニメーターとして働いているエリックだ。

 エリックいわく、現在ディズニーでトレース台を使用しているのは彼を合わせても片手で足りるほどだという。『プリンセスと魔法のキス』(2009)時には50人以上の手描きのアニメーターがいたが、『モアナ』で手描きのアニメーターとして参加したのは彼を含めて3人だった。だが、ディズニーに手描きの精神は失われていない。エリックは「コンピューターでアニメーションを描いていても、手描きのスケッチの需要は多大だってことを忘れないでほしい」と強調する。

 「コンピューターを使うアニメーターの多くが、手描き出身の人、もしくは手描きのトレーニングを受けた人が大勢なんです。キャラクターデザインは皆、手描きのスケッチでスタートしています。ストーリーボート(絵コンテ)も手描きです。作品を作るにあたって何千という手描きスケッチが必要になります」。実際にコンピューターでCGを作る前には、テスト用として多くの手描きのスケッチが生み出されているのだとか。また『モアナ』のプロデューサーであるオスナット・シューラーも、ディズニーでは手で描くことを何よりも基本としていると語る。

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最終更新:6/15(木) 22:18
シネマトゥデイ