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100m追い風参考9秒94 多田修平は“桐生超え”にも現実味

6/12(月) 12:14配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 これでまだ成長途中というのだから、末恐ろしい。

 10日の日本学生陸上競技個人選手権男子100メートル準決勝で、追い風参考記録(4.5メートル)ながら9秒94をマークした多田修平(20)。本人は「間違いかな?」と首をひねったものの、日本人3人目、国内では初の追い風参考の9秒台。今後の記録に期待がかかる。

 5月の「セイコーゴールデンGP陸上2017」の決勝でリオ五輪銀メダリストのガトリン(米国)と対戦。3位に終わるも、「誰だか知らないが凄いスタートを切った選手がいる」と、陸上界の雄を驚かせた。

 スポーツライターの高野祐太氏は「もともと、スタートを苦手としていた選手です」と、こう続ける。

「多田が優れているのは、スタート後の加速。セイコーGPでも、60~70メートルくらいまではガトリンとほぼ併走していた。10秒08で優勝した学生選手権の決勝を見る限り、終盤での減速率も以前より抑えられている。今年は大阪陸上競技協会の『OSAKA夢プログラム』で、2月から3月にかけて米国とオーストラリアで合宿。米国ではパウエルと彼の兄でコーチをしているドノバンにアドバイスを受けた。多田自身も『ウエートトレーニングの大事さと、スタートが昨年はつまずき気味だったので、その基本を。だいぶ勉強になった』と話していました」

 11日に欧州遠征から帰国した桐生は「(速い選手が)3、4人いた方が盛り上がる」と、ライバルの台頭を歓迎。多田が桐生を超える可能性はあるのか。

「可能性で言えば、あるでしょう。多田はまだ線も細く(176センチ、65キロ)、今後は年単位で体をつくるスケジュールなので、伸びしろは十分ある。陸上界では中学、高校で優勝して、その後伸び悩む選手が多い。中学、高校時代は早熟な選手ほど強いからです。その点、多田はインターハイで6位。関西学院大に進学してから、めきめきと成長している。現時点では桐生や山県には一歩劣るが、ケンブリッジとはほぼ同レベルです」(前出の高野氏)

 23日に開幕する日本選手権は、世界選手権(ロンドン)の代表3枠をかけた選考レース。桐生らリオ五輪リレー銀メダリストを破って、世界へのキップを手にすることも不可能ではなさそうだ。