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ナガセが大学受験予備校「早稲田塾」の半数を閉鎖、なぜこのタイミングで?

6/13(火) 8:30配信

THE PAGE

 東進ハイスクールや四谷大塚などを運営するナガセは、大学受験予備校「早稲田塾」の半数を閉鎖する方針を明らかにしました。一般的に予備校は少子化の影響で苦しい展開を余儀なくされているのですが、なぜこのタイミングでの閉鎖なのでしょうか。

 早稲田塾は大学受験予備校ですが、代々木ゼミナールや河合塾など競合他社とは異なり、現役生を主な対象としています。少子化と大学数の増加によって大学全入時代と呼ばれるようになりましたが、その影響を最初に受けたのが浪人生を対象とした予備校でした。

 かつては多くの高校卒業生が浪人して大学を受験していましたが、大学がたくさん存在する今、浪人してまで大学を選ぶメリットが少なくなっています。代々木ゼミナールが全国20校を閉鎖すると発表したのは2014年ですが、最初に浪人生を主な対象としていた予備校に影響が出たのは自然の成り行きといえるでしょう。

 その後、大学全入時代の影響が徐々に現役生対象の予備校にも及び、早稲田塾の業績も低迷し、今回の大量閉鎖につながりました。もっとも早稲田塾の場合には別の要因もありそうです。

 早稲田塾は現役生の中でも、書類や面接で選考するAO入試に強い予備校として知られていましたが、2014年にナガセが早稲田塾を20億円で買収しグループ会社化しています。

 ナガセは同じく現役生向けの東進ハイスクールや学習塾である四谷大塚などを運営していますが、両校の事業は今のところ順調で、特に四谷大塚を抱える小中学生部門は売上高が前年比4%増、部門利益が70%増となっています。早稲田塾の買収は、AO入試など新しい入試形態に関するノウハウを吸収するという目的があったと考えられ、必ずしも同予備校のネットワーク獲得のためではなかったともいわれています。

 近年では年齢が低いうちから教育にお金をかける傾向が顕著となっています。そう考えると、同社は早稲田塾で獲得したノウハウを四谷大塚などの小中学生部門に投入し、サービスの内容を深堀していく戦略かもしれません。

 早稲田塾の閉鎖に伴う特別損失は約25億円ですが、同社の経常利益は52億円ほどあるため、致命的な影響にはなりません。また、同社には154億円の自己資本があり、172億円の現預金を有しています。財務的にも大きな問題は発生しませんから、これによってナガセの経営が苦しくなるということはないでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:6/18(日) 6:11
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