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IS、なぜロシア製通信アプリ使用? 最後の広報手段「テレグラム」の正体…各国政府にユーザー情報提供されず

6/12(月) 16:56配信

夕刊フジ

 イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)や、過激思想に感化された人物によるテロが猛威を振るっている。そのISがラマダン(断食月)期間中の行動を呼びかける際などに使うのがロシア製アプリだ。フェイスブック創業者になぞらえて「ロシアのザッカーバーグ」と呼ばれる人物が作ったというのだが、なぜISに利用されているのか。

 先月、英中部マンチェスターのコンサート会場で22人が死亡した自爆テロでは、顔を布で覆った男が「アッラー・アクバル(神は偉大なり)」と繰り返し叫ぶ動画が公開され、ISによる犯行声明も出た。

 これらのメッセージが発信されたのが、「Telegram(テレグラム)」というアプリだ。ITジャーナリストの三上洋氏によると「LINEなどと同じ、スマホやパソコンでメッセージをやりとりするメッセージングアプリのひとつ」だという。

 なぜテレグラムがIS関係者の間で使用されているのか。三上氏は「まずはセキュリティーが強化されていること。テレグラムは米国など各国政府にユーザーの情報を提供しないことをウリにしている。決してテロを容認しているわけではないが、ISの関係者らが多く使用している事実と無関係ではない」と解説する。

 テレグラムはロシア人実業家のパヴェル・デュロフ氏によって開発された。三上氏はデュロフ氏について「米国だけでなく、自国のプーチン政権に対しても反体制的な立場を取っている」と説明する。

 IS関係者はかつてはユーチューブやツイッターを使って情報を拡散していたが、近年は運営側によるアカウントの削除が進んでいる。

 「テレグラムもISの“公式”をうたうチャンネルについては削除を始めている。だが、関わりがあるアカウントまでは対応が追いついていない。彼らがテレグラムを選ぶ2つめの理由はそこにある。残された最後の広報手段であるともいえる」とみる。

 マンチェスターの事件以外にも「昨年6月、米フロリダ州のナイトクラブで50人が死亡した銃乱射事件や、昨年11月のパリ同時多発テロでも、テレグラムを通じてISが声明を出している」と三上氏。ラマダンは今月24日頃まで続くが、新たな発信はあるのか。

最終更新:6/12(月) 16:56
夕刊フジ