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【新亜細亜野球事情】台湾の老舗球団・統一ライオンズ、低迷の理由は

6/12(月) 11:00配信

デイリースポーツ

 台湾プロ野球(CPBL)は前後期それぞれ60試合、計120試合の2シーズン制。前期もはや50試合を消化し、ほぼ優勝も見えてきた。トップのラミゴ・モンキースが、6月10日現在で2位の中信兄弟エレファンツに7ゲームの大差を付けて走っているためだ。ラミゴは近年、CPBLを牽引している実力あるチーム。球界の看板打者である林智勝(リン・ツースン)内野手がFAで中信兄弟に移っても、昨季、シーズン打率・414を残した王柏融(ワン・ポーロン)外野手が台頭するなど、戦力ダウンが見られない。常に“空振りしない”外国人選手獲得の手腕もある。

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 そんなラミゴを見るにつけ、残念というか物足りなく感じてしまうのが統一ライオンズだ。1990年のプロ発足後、親会社が変わっていない唯一のチーム。いわば“老舗”であり、優勝回数は実に13回。07年から3連覇、12年、13年にも連覇を果たしていたものの、近年は下位に低迷している。今年も現在のところ3位だ。

 低迷の要因はいくつもあるが、やはり世代交代の遅れが大きい。なまじ隆盛を誇った時期の選手、とくに野手が秀でていたため、若手を使って育てる機会を持てなかった。また押しのけて飛び出てくるような選手を獲得してこなかったスカウティングの問題もあった。

 いずれにしても、新戦力が現れない。そんなシーズンが続いたが、今年は少し違った。

 たとえば1番を打つ陳傑憲(チェン・チェーシェー)内野手。イメージは左の巧打者タイプの23歳。身長173センチと小柄で一発こそ少ないものの、シュアな打撃で打率・382と、トップの王柏融の・399を追う。

 3番を打つ蘇智傑(スー・ツーチェー)は去年、規定打席未満ではあるが打率・333、9本を残し、今季も31試合で6本、23打点。やはり規定打席には到達していないが打率・403をキープしている。こちらも23歳と若いが、故障による欠場の多さが惜しまれる。

 そして最も期待されているのが、鄭鎧文(チェン・カイウェン)外野手だろうか。186センチ、96キロ。年齢は26歳。恵まれた体躯で「長打力に加え、巧さもある。野手としてのスローイングも良い。去年まではバットの出が悪かったところ、今年はスムースに出るようになって成績も上がってきた」とはと球団団関係者の弁。それでも昨季は109試合に出場し、打率・234ながらも24本、73打点を残して今季の期待が膨らんでいた。

 統一は近年、高国慶(ガオ・コーチン)内野手、潘武雄(パン・ウーション)外野手といったベテランが中軸を担ってきたが、ようやくそこに割って入る打者が出てきたのだ。ただ彼も4月に右手関節に死球を受け、およそ1ヶ月の離脱。5月に復帰したものの、精彩を欠いている。打率は・185、8本、28打点。

 せっかく芽を出した感のある打者たちが、元気でプレーしていれば、前期もラミゴ相手に打ち合えるだけの打線を構成できたはず。“たら・れば”は禁句とはいえ、こうした選手がいるだけに、惜しい。

 近年、台湾プロ野球はWBCなどの国際大会や、ラミゴの躍進に引きずられる形で人気も上向いている。そんな中、老舗の統一が優勝争いに食い込めば、より一層の盛り上がりが期待されるのだが…。

 まだ前期が終わっていない今、後期に期待を寄せる、というのも憚れるが、是非とも彼ら若手には爆発するシーズンになって欲しい。

 オフの11月には、初開催の『アジアプロ野球チャンピオンシップ』がある。これは日本。韓国、台湾からU24(1993年1月1日以降生まれ)の選手で構成される国際大会だ。当然、そのメンバーにも入るべき選手たち。彼らのプレーを東京ドームで日本のファンに、是非、見て貰いたいと思う。頑張れ!そして、来いよ!