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シンシン2度目の出産、長い道のり 園長「感無量です」

6/12(月) 23:15配信

朝日新聞デジタル

 東京・上野動物園に、5年ぶりにパンダの赤ちゃんが誕生した。元気いっぱいの鳴き声に、見守ってきた人たちに笑顔がこぼれた。

【写真】赤ちゃんパンダを口にくわえる母親のシンシンの画像を前に記者会見する、上野動物園の福田豊園長(左)と金子美香子教育普及課長=12日午後、東京都台東区、川村直子撮影

 「感無量です」。12日午後、記者会見した上野動物園の福田豊園長(57)は、ほっとした表情で言った。

 5年前、シンシンが初めての赤ちゃんを産んだとき、福田さんは飼育展示課長として、子作りから出産後の生育状況を一番間近で見ていた。生まれて7日目で赤ちゃんが死んだときは「言葉にならなかった」と言う。

 2度目の出産までの道のりは長かった。13年は交尾が確認され、妊娠の兆候はあったが実際には妊娠していない「偽(ぎ)妊娠」、14~16年は交尾に至らなかった。パンダの発情期は年に1度しかなく、メスが妊娠できるのは1~3日だけ。お尻を壁にこする「においつけ」や恋鳴きのタイミングなど、発情の兆候を的確に捉え、同居させる必要があり、繁殖は容易ではない。待望の赤ちゃん誕生に、福田さんは「3カ月くらいは気の抜けない時期が続く。緊張感を持って見守っていきたい」と言葉に力を込めた。

 今年3月末まで6年間園長を務めた土居利光さん(65)も喜ぶ。5年前、赤ちゃんが死んだ時の記者会見で、土居さんは言葉を詰まらせ、涙ぐんだ。「ようやく生まれてきた命。丈夫に育ってもらいたい」

 地元・上野では、上野観光連盟が準備したパンダのお面が配られ、お祝いムードに包まれた。(西村奈緒美)

朝日新聞社