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祝・日米通算2000本安打!担当スカウトが見た、青木宣親という男

6/12(月) 17:03配信

スポーツ報知

 11日(日本時間12日)のエンゼルス戦(ヒューストン)で日米通算2000本安打を達成した米大リーグ・アストロズの青木宣親外野手(35)を、ヤクルト時代に青木を獲得した担当スカウトの宮本賢治さん(57=現ヤクルト・ファームディレクター)が祝福した。

【写真】仮契約で青木と握手する宮本さん

 2003年のドラフト4巡目で指名した。宮本さんは「活躍はうれしいけど、まさか、ここまでになるとは正直思わなかった。スカウト冥利に尽きるね」と笑みを浮かべた。

 青木に対する宮本さんの第一印象は良くなかった。当時は、選手が球団を選ぶ“逆指名”による自由獲得枠があった時代で、選手の“逆指名”を得るためにスカウトは試合だけでなく、キャンプや練習にも密着していた。宮本さんが最初に青木の存在を認識したのは、1学年上の和田毅(現ソフトバンク)の獲得を目指し、東京・東伏見の早大グラウンドに日参していた時だった。

 動きが違った―。だが、それは良い意味ではなかった。「チンタラやっているように見えたんだよね」宮本さんは当時を回想する。野手がそろって、ティー打撃を行っていたが、青木の動きだけ違っていた。黙々と打ち込む他の選手と比べて、明らかに打つペースが遅い。宮本さんの目には手を抜いているように映った。

 試合でのプレーだけなく、練習姿勢などを見て性格を判断するスカウトは多い。当時のネガティブな印象は後日、誤解だったと判明した。「青木に聞いたら『僕は1球1球状況などを考えて打っていました』って言っていたんだ。意外としっかりしているなと思い直した。何事にも動じない我が道を行くタイプだったんだ」。

 早大では2番打者、制約もありチーム事情でレフトに流し打つケースが多かった。それでも宮本さんは時折見せる鋭く力強い打球に注目した。「レフトにも大きな打球を打って、こいつパワーがあるなと思った」。高校時代に投手を務めていたこともあり肩も強く、足も速い。「体にパワーがある。小力があるというのか…」。体のサイズではなく、プレーの端々に見える“力強さ”。「いつしか獲得できたらいいなって考えてウキウキしていた」。見れば見るほど青木のプレーにほれていった。

 ヤクルトは当初、鳥谷敬(現阪神)の獲得を目指していたが、争奪戦に敗れる形で脱落。それも青木獲得の“追い風”になった。「鳥谷は取れなかったけれど、もし取れていたら、青木(の指名)は絶対なかったからね」という。

 入団会見で「3年で首位打者を獲って欲しい」とエールを送った宮本さんだが、青木はその期待を上回るペースでブレイクした。入団2年目に、レギュラーを獲得し、202安打を放ち首位打者、新人王を獲得した。「入団1年目のキャンプでは打球が飛ばなくて大丈夫かなと思っていたけれど…。(1年目のオフに)稲葉がいなくなった(FAで日本ハム移籍)こともあるし、若松(勉)さんや中西(太)さんにインコースを引っ張る打ち方を教えてもらったのも大きいと思う」。

 「頭に死球を受けたこともあるけれど、大きなけががなかったのも大きい。体が丈夫だし、両親に感謝だよね。これからも頑張って欲しい」。今でも、東伏見で試行錯誤しながら自分のペースでティー打撃をこなす青木の姿が目に浮かぶ。大成するために大事な芯の強さ―。宮本さんはスカウト人生の中でも印象に残る青木との運命の出会いに感謝している。(記者コラム・高柳 義人)

最終更新:6/13(火) 1:58
スポーツ報知

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