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中日・松井雅を有名にした本塁打取り消しの珍事…「ベース踏んでいない」とアピールなかったら? 

6/12(月) 15:00配信

サンケイスポーツ

 【球界ここだけの話】

 プロ8年目の中日・松井雅人捕手(29)にスポットライトが当たったのは6月9日のオリックス戦(京セラ)だった。この日が、デビュー戦だったオリックスの新外国人、マレーロは五回、左中間にドデカい一発を放ったが…。

 “来日初アーチ”に興奮しすぎたのか? ホームベースを空過(踏み忘れ)してしまった。本塁打は取り消されて記録は三塁打に。この球史に残る珍事は、松井雅のアピールから生まれた。

 「球審に『ベースを踏んでいないが、どうすればいいか』と聞いたら『一塁の吉本塁審が見ているので、プレーがかかってからアピールしてほしい』と。(投手が)1球投げたら無効になるのはわかっていた。いつも(ベースを踏んだかは)見ていますが、(野球人生で)初めてです」

 翌10日の同戦で、マレーロは来日初アーチ。両足でホームベースを踏んで話題をかっさらい、松井雅も試合前に名古屋の民放テレビ局のインタビューを受けるなど時の人に。周囲からは「よく見ていた」「ファインプレーだ」と称賛された。

 松井雅の指摘がなければ、マレーロは本塁打としてカウントされていたからだ。

 後日、この一戦で審判を務めていた一人は「わたしも、こんな場面に遭遇するのは初めて。松井雅捕手から『ベースを踏んでいない』とアピールがなかったら? この話題はオモテに出なかったでしょう。審判には守秘義務がありますから(笑)」と明かした。

 だが、松井雅に言わせると「明らかに踏んでいないのだから。あれを見落とすようではダメでしょ」と意外なほどクールだった。

 「みなさんが思っているほど、すごいことをしたと思っていない。当たり前のプレー。少年野球で、捕手をやっている子供でもホームランを打った打者がホームベースを踏んでいるか、きっちりと見ていますよ」

 上武大から2010年にドラフト7位で中日に入団。規定打席に到達したことはなく、これまでの1軍最多出場は14年の67試合。杉山、木下拓らと正捕手争いをしている男が、さらに頼もしく見えたのは、このあとプロ野球選手を目指す子供たちへのメッセージを求めたときの返答だ。

 「捕手は“女房役”というでしょ。たとえばホームベースが汚れているときは、手で拭いてきれいにする。ベースの角が汚れていると、投手もストライクゾーンが見えにくくて投げづらい。プロ野球では球審の方が拭いてくれるけど、だから自分の手でも拭くようにしている。目配りと気配りですよ」

 記者は、うなずくだけだった。(三木建次)

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