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東京エレクトロン、売上高1兆円が射程圏内に

6/12(月) 6:00配信

投信1

投信1編集部による本記事の注目点

 ・ 半導体製造装置大手の東京エレクトロン <8035> の売上高が、ついに1兆円を射程圏内に収めようとしています。
 ・ 半導体市場拡大のベースとなっているのが、エンタープライズ/クラウド分野における半導体需要、さらにはIoTに代表されるエッジコンピューティング分野での需要拡大です。
 ・ 設備投資が活発化している3D-NANDは、デバイスの構造上「深い穴を掘って、埋める」という工程が多く、設備投資のウエイトもエッチング・成膜・洗浄中心に移行しています。その中でも2D-NANDに比べて装置ウエイトが劇的に高まるのがエッチング装置です。
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半導体製造装置大手の東京エレクトロン(株)の売上高が、ついに1兆円を射程圏内に収めようとしている。半導体製造装置市場の拡大に伴い、2019年度(20年3月期)には、最大で1.2兆円の売上高達成を目指す。ただ、今後最も成長が見込めるエッチング装置に関してはシェア目標を引き下げるなど、課題も残す。同社の現状と今後の事業戦略を追った。

売上高は1.5倍に

「半導体は新しい成長フェーズに入った」――17年5月末に開催された同社の中期経営計画説明会で、代表取締役CEOの河合利樹氏が語った内容だ。同社は19年度までに最大で売上高1.2兆円を目指す新たな中期経営計画を公表。主戦場とする半導体前工程装置(WFE=Wafer Fab Equipment)市場が420億ドルとなった場合は売上高が1.05兆円、450億ドルでは1.2兆円と幅を持たせた計画となったが、16年度実績の売上高が7997億円だったことを考慮すれば、売上高は約1.5倍となる計画であり、同社の強気な市場見通しがうかがえる。

同社では15年にWFE市場予想300億ドルで売上高7200億円、370億ドルで9000億円を目指す中期経営計画を公表していたが、3D-NANDを筆頭に半導体設備投資が活発化しているため、これを見直した。

従来、WFE市場は300億~350億ドルをここ何年も推移しており、半導体デバイス市場が年々拡大を遂げるなか、WFE市場は鈍化傾向にあったといってよい。半導体デバイス市場の金額規模に対して、装置市場の割合を示すCapital Intensity(装置市場÷デバイス市場)も年々減少傾向にあり、装置市場の将来性を危惧する声が業界内にも多く聞かれた。

WFE市場は400億ドルの壁を破ることができない。業界内でも長年こうした見方が支配的であった。しかし、今その壁が破られようとしている。同社によれば、17年(暦年)のWFE市場は前年比8.6%増の約400億ドルを想定。今後も安定的な成長を見せ、19年度にはベストシナリオで450億ドルの市場形成を予測している。

市場拡大のベースとなっているのが、エンタープライズ/クラウド分野における半導体需要、さらにはIoTに代表されるエッジコンピューティング分野での需要拡大だ。エンタープライズ/クラウド分野では3D-NANDが、エッジ分野ではセンサーやRFデバイスの需要拡大が見込まれ、足元でもこうした設備投資が積極的に展開されている。加えて、自動運転などに沸く自動車分野もこうした市場拡大を支える存在となる。

製造装置市場は景気動向に左右される傾向が強く、ボラティリティーが高いとされ長期的に市場を見通すのが難しい産業であるが、半導体産業の裾野拡大に伴って国内最大手、世界でも第4位に位置する同社がこうした中期計画を外部に対して示したことは大きな意味を持つ。

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最終更新:6/12(月) 12:40
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