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月90時間超の残業、社用車で400キロ移動の日も…突然死した管理職男性に労災認定

6/12(月) 17:17配信

弁護士ドットコム

過労死110番全国ネットと過労死弁護団全国連絡会議は6月17日、全国32都道府県で全国一斉電話相談「過労死110番」を行う。同会議の幹事長を務める川人博弁護士が6月12日に、厚生労働省の記者クラブで記者会見を行った。

この会見に合わせて、産業廃棄物処理業者で働いていた男性(当時52歳)が急性大動脈解離を発症したのは長時間労働によるものだとして、前橋労働基準監督署に労災認定されたことを男性の妻が報告した。認定は2016年12月。

川人弁護士によると、亡くなったのは群馬県在住の坂爪伸治さん。伸治さんは廃棄物の回収・再利用・埋め立てなどを行う群馬県の産廃処理業者の支店で、営業職次長として電気メーカーなどへの営業をしていた。2016年1月26日の午前8時ごろ、電車を降りて会社に向かっている途中で異変を感じ、自ら救急車を呼んだが、約2時間半後に搬送先の病院で急性大動脈解離のため亡くなった。

前橋労基署は、急性大動脈解離発症前2ヶ月間の平均時間外労働時間数が最大で90時間15分におよび、発症前半年については月平均80時間を超える時間外労働があったと認定。また、毎日社用車を使って顧客を回っていたことは、労働時間以外の負荷要因である「出張の多い業務」にも該当するとした。

亡くなる11か月前には、月160時間もの時間外労働を行っていたという伸治さん。妻の千恵子さんによると、午前5時45分に起床し、終電にも間に合わない時には深夜1~2時に社用車で帰ってきた。千恵子さんは「栃木県の担当が多かったこともあり、今日は車で300~400キロ走ったと言っていた日もあった。毎日疲れた疲れたとこぼしていた」と話した。

川人弁護士は「管理監督者には残業代の支払いなどが適用されないという労働基準法41条により、時間外労働を含めた労働時間を会社が管理していない。これが結果的に過労死を発生させる大きな原因となり、中間管理職へのしわ寄せが来ている」と指摘した。

過労死110番全国ネットと過労死弁護団全国連絡会議は6月17日、全国32都道府県で全国一斉電話相談「過労死110番」を行う。30回目の開催となる今年は、東京窓口では特設電話を10台、相談員15人と例年以上の体制で受け付ける。時間や電話番号は各都道府県により異なり、詳細は過労死110番のHP(http://karoshi.jp/)で確認ができる。

弁護士ドットコムニュース編集部