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美しい磁器マイセンのふるさとを訪ねる ドイツ

6/12(月) 12:16配信

朝日新聞デジタル

【世界美食紀行】

 食べることが大好きなフーディーズにとって、お皿にのる料理と同じくらい心をひかれるのがテーブルコーディネートではないでしょうか。ヨーロッパの歴史ある名窯(めいよう)のテーブルウェアは華やかでエレガント。中国や朝鮮半島、日本が本場といわれますが、欧州で発展した陶磁器はアジアともアメリカとも違うきらめきを放っています。

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 ドイツを代表する名窯といえば、ヨーロッパ最古の硬質磁器マイセン。日本でもおなじみの高級磁器ブランドで、大阪にはマイセンの世界観を体感できる「マイセン カフェ」もあります。そんなマイセンの本拠地を訪ねました。

 旧東ドイツの小さな古都マイセンは、クリスマスマーケットで有名なドレスデンから電車で30分くらい。ドレスデンと組み合わせて観光するルートが一般的です。マイセン駅から歩いて10分ほどの川のほとりにマイセンの工房「マイセンハウス」があります。内部は磁器の製造工程をステップごとに見学できるデモンストレーション工房、1710年の創業時から現在までの貴重なコレクションを鑑賞できるミュージアム、マイセンのテーブルウェアでマイセンのロゴ入りケーキやマイセンブランドのコーヒーを楽しめるレストラン&カフェ、定番から最新デザインまでマイセンの作品が一挙にそろうショップ、品ぞろえが豊富でショップに見劣りしないアウトレット、そして顧客の要望を個別にヒアリングするコンシェルジュルームが設けられていました。

 そう、エルメスやルイ・ヴィトンなどと同じように、マイセンも硬質磁器に関するものであれば、どんなオーダーでもデッサン画を起こすところから受注しています。発注元は昔であれば王族や貴族、現在は富裕層のほかホテルやレストラン、教会、美術館や博物館などもクライアントだそうです。

 特注品とはご縁のない庶民の私が向かったのは、アウトレットショップです。アウトレット、つまり欠陥品ということでスタッフがその理由を包み隠さず説明してくれます。が、私が選んだものの欠陥は「大中小のプレートが12セットそろわない」(つまり大がかりな晩餐(ばんさん)会に向かない)といったダイナミックすぎる理由で、お客様用を含めて4セットもあれば十分な私にとって、クオリティーは正規品と同じ。ただ価格だけが安いといううれしい出合いでした。

 そして何より素敵だったのが、マイセンのテーブルウェアでコーディネートされたマイセンづくしの食卓でのアフタヌーンティーパーティーです。それもミュージアム内のライトアップしたマイセンのオブジェの前という抜群のロケーションで。

 真っ白なテーブルクロスにゆらめくキャンドルの炎、ケーキ皿はマイセンのプレートが3段に重ねられ、マイセンのオブジェがテーブルに彩りを添えています。もし私が若かったら、友人と白いワンピースか何かでファッションをコーディネートして、セルフィーしまくったはず。ドイツはパンや焼き菓子といった粉モノ料理のレベルが高いのですが(パスタを除く)、マイセンも例外ではなく、マイセンのテーブルに囲まれて、小麦の香りと風味がいっぱいの素朴なケーキを楽しみました。

 このパーティーは事前予約が必要で、前述したコンシェルジュルームであれこれ詳細を打ち合わせることもできます。

 マイセンをすっかり満喫した私ですが、実はこの旅でひとつ大きな失敗をしてしまいました。私はドレスデンからマイセンという旅のルートを組んだのですが、マイセンファンであればマイセンからドレスデンという順序が正解だと思います。

 というのもドレスデンには、マイセンのベル(もちろん特注品)の音をいまも聞くことができる宮殿とか、マイセンの巨大な壁画(これも特注品)を並べた城壁とか、マイセンの器と料理のマリアージュを提案する星つきレストランとか、マイセンとゆかりの深い観光スポットがたくさんあるのです。マイセンの工房で予習してからドレスデンを訪れれば、きっとより理解が深まったはずと思うと残念です。

 それからもうひとつ。マイセンと日本の有田焼で知られる佐賀県有田町は姉妹都市で、マイセンが創業したおよそ300年前から、有田焼はマイセンに影響を与えてきたそうです。わざわざドイツのマイセンまで訪れながら、佐賀県には未訪の私は、有田焼の技術力の高さをマイセンでドイツ人に教えていただくという体たらくに。世界を旅すること。それは日本を再発見することに他ならないな、とあらためて実感しました。

■MEMO:旅の予約

ご紹介したマイセンづくしの食卓でのティーパーティーは、旅行会社などを通さず個人でも予約が可能です。基本的に利用時間は「マイセンハウス」の開館前または閉館後、料理は予算や人数によって応相談で、今回のようにケーキ類のほかランチやディナーの食事も提供しています。

■取材協力:

ドイツ観光局

(文・写真 江藤詩文 / 朝日新聞デジタル「&TRAVEL」)

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