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<話題>中小型株に過熱感、乗るなら割り切り必要

6/12(月) 8:30配信

モーニングスター

 中小型株の堅調な推移が続いている。東証小型株指数は4月14日終値2665.3から6月に入り指数ができて以来、初めて3000を突破。5日には3017.89で終了し、約2カ月で13.2%上昇した。同期間、東証中型株指数も11.2%上昇しており、東証大型株指数の9.4%上昇を大きくアウトパフォームしている。

【4月14日-6月5日の上昇率】
東証小型株指数 +13.2%
東証中型株指数 +11.2%
東証大型株指数  +9.8%
参考
TOPIX   +10.3%

 この背景には、大型株を中心に買う外国人投資家が「日本株を先物中心に買い戻したが、欧州株への関心が高いようで、日本株の買いは腰の据わったものでない印象」(みずほ証券5月18日付リポート)という側面があるようだ。そもそも、中小型株は値動きが荒く個人投資家の人気を集めやすい。現状は上昇がさらに資金を集めている形で小型成長株を中心に急騰する銘柄が相次ぐ。

 ただ、中小型株に過熱感が出ているのは間違いない。特に内需ディフェンシブへの買いは極端に行き過ぎのレベルまで来ており、「そろそろこうした銘柄がクラッシュして外需や金融などのバリュー株にシフトする起きる確率が高まっているのでないか」(ファンドマネージャー)との声が出ている。「円高や業績の背景があるからここまで来たのだと思うが、さすがに行き過ぎ感が出てきた。去年の6月中旬から7月頭にかけ同じような推移を見せており目先は警戒する必要がある」(同)という。

 また、ある外資系証券トレーダーも中小型に対し危機感を露わにする。中小型株という本来は小さい資金プールに巨大な資金流入がすると、それ自体が株価を強力に押し上げてしまうため「現状は資金が増加しているフェーズ。まだ上昇は続くかもしれないが、資金流出が始まると一気に崩壊する危険性は否定できない」と話す。日経平均株価は2万円台を一時回復し株式市場が夏場に向け調整する可能性が高いなかでは、パフォーマンスの良かった中小型株は真っ先に利益確定売りの対象となり得る。

<いつでも飛び下りられる姿勢必要>

 株式市場はこの10年ほど、中小型に資金流入→その資金で株価押上げ→好パフォーマンスを見てさらに資金流入のサイクル(現在)と、中小型から資金流出→その売却で株価押下げ→低パフォーマンスを見てさらに資金出のサイクル(今後)を繰り返す。いったん逆回転が始まるとなかなか歯止めが効かなくなる。中小型に乗るなら資金流入が続いているしばらくの間だけと割り切り、「いつでも飛び下りられる姿勢が必要」(前出ファンドマネージャー)だろう。

(モーニングスター 6月 9日配信記事)