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12年間「住民が支えてくれた」 八戸「山の楽校」岩崎さん楽校長退任

6/12(月) 11:40配信

デーリー東北新聞社

 旧増田小中の校舎を活用した青森県八戸市南郷地区の「山の楽校」で2005年6月の開校から楽校長を務め、3月末に退任した岩崎光宏さん(72)。過疎が進む山間地に人を呼び込もうと住民ととともに知恵を絞ってきた12年間を振り返り、「出会いに恵まれ、いつも住民が支えてくれた」。今も感謝の思いで一杯だ。

 旧浪岡町生まれ。教員として三八地方の中学校を回り、1996年から3年間、初めて校長として勤務したのが旧増田小中だった。住民との距離感が近く、地域で学校を支える雰囲気が忘れられなかった。

 05年3月に定年退職。3カ月後に開校予定だった山の楽校長を打診され、「在職中の恩をいつか地域に返したかった。微力だが役に立ちたい」と引き受けた。

 当時は廃校活用の事例も少なく、手探りでのスタート。もともとあった地域資源に活路を見いだし、そば打ちや豆腐・みそづくりを事業の柱に据えた。“先生”役は、地元のおばあちゃんたちに頼むことにした。

 大型客船のツアー客を迎えた時、メニューの裏にびっしりと感想が書かれていた。内容は「ほとんど聞き取れない方言で話すおばあちゃんに癒やされた」。方向性は間違っていない―とうれしくなった。

 田舎暮らしの知恵や食文化を発信し続け、今では年間60講座を開く。「お年寄りが活躍できる場を―という土台を崩さなかったから、ここまでやって来られた」と実感している。

 一方、ジレンマもあった。一人がトップに居続けるのは良くない―との考えで「軌道に乗るまで。長くても5年」で去るつもりだったが、後任が見つからず、月日がたっていた。

 今回、そば打ち体験のボランティアをきっかけに職員となった同市の岩渕修一さん(62)を後継に指名。「本当に楽校を愛している」と信頼する相手にバトンを託せた。

 今月2日には送別会が開かれ、住民と思い出話に花を咲かせた。

 住民で組織する山の楽校運営協議会会長の●舘博史さん(65)は「他県からも視察が来るような施設になった。今の姿があるのは、岩崎先生のおかげ」とたたえた。

●は「けものへん」に「犬」

デーリー東北新聞社

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