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ジェイテクト、RP式電動パワステがレクサス「LC」採用 日米中で量産体制へ

6/12(月) 11:18配信

日刊工業新聞電子版

■製品の“空白地帯”埋める

 ジェイテクトは中・大型車向けの電動パワーステアリング(EPS)事業を強化する。2016年に「ラックパラレル」(RP)と呼ぶ大出力用のEPSに参入。今夏に米国、19年には中国の工場でもRP式の量産を始める。ジェイテクトはパワステで世界シェア26%(同社調べ)の最大手だが、RP式では欧州勢などが先行していた。これまで油圧が主流だった中・大型車でもEPSへの置き換えを進めて、世界シェア首位の座を固めていく。

 「トップメーカーの地位は必ず維持しなくてはならない」。安形哲夫ジェイテクト社長は力を込める。16年末、花園工場(愛知県岡崎市)でRP式EPSの量産を始めた。

 同社は主に小型車用の「コラム」式や中型車用の「ピニオン」式を手がけてきたが、大きな出力が求められるスポーツ車やスポーツ多目的車(SUV)、ピックアップトラックなどでは一部車種への搭載にとどまっていた。RP式の量産で、製品の“空白地帯”を埋める考え。

 RP式でまず受注したのはトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」の旗艦クーペ「LC」向け。今後もレクサスブランドやトヨタブランドの車に採用される見通しだ。さらには欧米メーカー向けにも「商談中」(幹部)という。20年にRP式で世界シェア17・2%を目指す。

 花園工場ではRP式を生産する第一ラインがフル稼働し、11月頃には第二ラインも稼働する。18年をめどに、2ラインで月間最大6万台を生産する計画だ。

 ジェイテクトはRP式の設計や生産面で多くの工夫を盛り込んだ。例えば、モーターの力を減速して伝えるボールネジは、球の間に「スペーサーボール」という小さな球を挿入。逆回転させることで摩擦抵抗を減らした。

 従来、一直線の「フィッシュボーン」式だった生産工程は、途中で180度折り返す「U字ライン」を採用。前工程の作業者が振り返って後工程もこなせるように改善した。

 RP式の主要市場は大型車・高級車の多い北米や欧州になるとみられ、既に欧米メーカーの一部のSUVにはEPSの採用が始まっている。ジェイテクトも今後は米テネシー州の工場で月3万台のラインを2本、中国・福建省の工場で月約1万5000台のラインを1本、それぞれ整備する方針。燃費向上や自動運転技術の開発で車の電動化が進む中、パワーステアリングも油圧式から電動式への移行が一段と進みそうだ。