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ズルい? 悪いと思ってない人も? どう防ぐ「不正折り返し乗車」 苦悩の鉄道事業者

6/12(月) 6:20配信

乗りものニュース

きっぷを持たなければ不正乗車

 B駅から上り列車に乗ってA駅に向かう場合、いったん下り列車に乗ってC駅に行き、上り列車に着席してA駅に向かう。これが「折り返し乗車」と呼ばれています。B駅から乗ると混雑して座れないけれど、逆方向のC駅から乗れば座れる――実行する人にとって「賢い方法」と思うでしょうし、B駅から乗る人にとっては「ズルい方法」に見えます。

【写真】都営地下鉄も「折り返し乗車」に悩む

 この場合、折り返し乗車をする人が、C~B間の往復に有効なきっぷを持っていれば問題ありません。実際にC~A間の定期券を購入している人もいます。しかし、B~A間のきっぷや定期券しか持たない場合は、C~B間は無賃乗車となります。

 改札口を出なければ良い、と勘違いする人も多いようです。しかし、きっぷに指定された経路以外の区間を乗車する行為はダメです。改札口を突破すれば無賃乗車、改札口を出なくても経路外乗車、どちらもキセルと同等の不正乗車です。通勤時間帯に座りたいという理由だけではなく「A駅からB駅へ向かう際に、C駅の駅ナカで買い物をする」という行為も不正乗車になります。

 不正乗車による折り返し行為は、通勤で混雑する路線では少なからず起きているようです。路線の始発駅に行けば確実に座れます。しかし、鉄道事業者にとって取り締まりは難しいようです。列車の扉付近ですべての乗客のきっぷを確認すれば確実ですが、すべての扉に人員を割けませんし、混雑が激しくなり列車が遅れてしまいます。ほとんどの鉄道事業者では対策を明らかにしていません。過去の報道をみると、悪質な常習者を発見した場合にしばらく追跡するなどして実態を確認し、個別に対応しているようです。

みなとみらい線では特に深刻「隠れ無賃乗車」

 多くの鉄道事業者が具体的な手段を明らかにしないなかで、横浜高速鉄道みなとみらい線は大きなポスターを貼り、駅員による声掛けを実施するなどキャンペーンを2017年5月17日(水)から19日(金)までの3日間、展開しました。その背景には、同社ならではの特殊な事情があります。

 他社では、不正乗車による折り返し行為も同じ会社の路線内です。不正が行われたとしても、自社の路線に乗る客です。不正はいけませんが、疑いをかける時点でためらいがちです。

 しかし、みなとみらい線の場合は、東急東横線の定期券だけを持つ人がみなとみらい線内を不正乗車する場合があります。横浜駅を境に、東急東横線と横浜高速鉄道みなとみらい線となっていて、営業主体が変わるからです。つまり、客ではない人が往復するわけで、横浜高速鉄道としては丸損。その人たちのために、みなとみらい線の利用客が着席できなかったり、車内の混雑を強いられたりすれば、不公平どころの話ではありません。

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