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クボタ、ロボトラクターのモニター販売開始 18年から本格市場投入

6/12(月) 12:01配信

日刊工業新聞電子版

■自動運転はGPS制御、2台が協調作業

 “ロボット農機”実現へ―。クボタは高度化した全地球測位システム(GPS)を使った自動運転作業が可能なトラクター「アグリロボトラクタ」のモニター販売を開始した。2台が協調作業できることが特徴で、まずは年10台を提供して課題を洗い出す。2018年に本格販売する考えだ。しばらくは人が付きそうことが前提だが、農作業の自動化という未来が見えてきた。

 ピッピー。無人の農機がリモコン操作による指示に反応してクラクションを鳴らす。すると静かに耕運の開始位置に動いた。

 先日、イワセアグリセンター(茨城県桜川市)のほ場で開かれた発表会。多くの人が見守る中、2台の自動走行トラクターが協調した耕運作業のデモが行われた。1台に人が乗り、もう1台が別の位置につく。追従するのではなく、2台がすれ違いながら隣の列を耕運していくことで作業時間を短縮できる。

 人が乗る側のトラクターも自動運転が可能だ。1台だけの稼働でも「10時間ぶっ続けで行う作業の負担が大幅に減る」(飯田聡取締役専務執行役員)ことから利点は大きい。クボタによると、3000―5000平方メートルのほ場で有人トラクターの作業に比べて1・5倍の効率が見込める。

■レーザースキャナー・超音波ソナーを複数台搭載

 位置の把握には、独自のRTK―GPSユニットを採用。基地局をほ場の近くに置くことで、センチメートル単位の制御が可能になる。周囲の安全確保には、トラクター本体にレーザースキャナーと超音波ソナーを複数台搭載している。市川信繁車両基礎技術部長は「先進技術は事故で進化が止まる。安全を最優先にした」と話す。安全基準も国際標準化機構(ISO)の規格に準拠した。

 安全に配慮した結果、ほ場の外側周辺は自動耕運には対応しなかった。また、現状の価格も970万円(消費税抜き)からと通常の1・7倍する。課題はあるものの、農業従事者の高齢化や減少といった社会課題の解決に向け、ロボット農機への期待は大きい。

 ライバルの動向を見ると、ヤンマーも18年度中にロボット農機を導入する計画だ。北海道大学、日立造船と連携し、準天頂衛星「みちびき」の信号を活用して有人走行するトラクターに随伴して作業するトラクターを開発している。